【スポニチ評論家座談会~大阪セ編(3)】広島は「捕手・坂倉」がカギ握る 栗林が間に合いそうなのは朗報

[ 2023年3月28日 07:32 ]

広島・栗林
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 (2)から続く

 ――中野はWBCでショートを守っていたけど、二塁とはまた全然ちがうものか?

 関本 高校、大学、社会人で何度も二塁を守ったことがあると思うのですぐに慣れるでしょう。問題は遊撃手との連係ですね。コンビで慣れていればここにトスがくるとか、厳しい体勢で投げてくるときはこの辺とかわかりますから。次の動きが変わってくるので、間一髪のときにどうでしょうか。 

 野村 自分の経験上でも二塁と遊撃は逆の動きになるので、最初に1つミスをしてしまうと続けてやってしまう恐れはある。バックトスを引っかけてしまったり…。試合の中でのとっさの動きができるかどうかは、そう簡単ではない。

 ――阪神の投手陣は?

 鈴木 球に力のある投手は多いね。

 大野 湯浅のクローザーに期待したい。昨年のボールならいける。7、8回と9回を任されるのはメンタル的に違うけど、あの勢いでいってもらいたい。

 佐々岡 守護神が打たれて負けるのは痛い。湯浅は真っすぐが良いし、フォークもある。一番は自信をつけられるかどうか。

 能見 阪神投手陣はいいです。でも2年間いたオリックスには、山本由伸という負けられない試合は必ず勝ってきた大エースがいた。青柳にその突出した存在になるように期待したい。得点が取れないときは、さらに少ない失点に抑えてくれるように。あと抑えですが、矢野さん、湯浅って落ち込むタイプですか?

 矢野 落ち込まないね。性格は抑えに向いていると思う。

 能見 キツい場面でもどんどん攻めていけているので、いいのではないかと思って見ていたんです。

 赤星 湯浅に限らず、いまの選手はみんなハンパなくメンタルは強いです。中野がWBCのチェコ戦で一塁に悪送球した次の日に話をしたんですけど、“ショートはあまり練習してないんで”とか“すぐにみんなが取り返してくれると思っていました”とか言えちゃうので、すごいなと思いました。ボクは言えなかった(笑い)。森下と話していてもルーキーと話しているような感覚じゃないんです。たとえ打てなくても、引きずるのではなくて、自分でなんとかしてしまう。

 ――今年のカープは?

 野村 阪神と違ってピッチャーがいない。ドラフト1位の斉藤(苫小牧中央)は誰に聞いても今年の高校生投手の中では一番という声を聞くけど、出てくるのは3年後かなあ。先発ローテーションは5番目、6番目が最後まで決まらなかった。打線は、新外国人のデビッドソンに大きいのを期待したい。

 大野 先発ローテ候補はたくさんいるけど、正直、まだ「1年間この選手で大丈夫」まではいっていない。1試合は良かったけど、次がダメだったとか、安定感がまだない。打線も含めて、若い選手を育てていきながらの戦いになる。

 佐々岡 明るい材料は大瀬良が軸になってくれそうなことです。あとは九里、床田、遠藤の次にくる5番手、6番手。森下が帰ってくるまでアンダーソンとコルニエルのどちらか一人、益田、森、玉村…。栗林は間に合いそうなのは良かった。捕手は坂倉でいくという方針で、マスクをかぶらない試合はベンチ。打撃がいいので昨年は三塁を守らせたが、今年は「捕手・坂倉」が一つのカギを握りそうです。

 ――今年は巨人の評価が軒並み低い。

 鈴木 巨人の意地を見たいね。

 広澤 1位の阪神は忖度(そんたく)なしで言っているけど、2位以下は難しい。DeNAは一塁佐野、二塁牧、三塁宮崎の内野陣が少し重い。バランスがいいとは思えない。世界一になった侍ジャパンに唯一勝った中日の方が投手陣が先発も後ろもいいし、よく見えます。

 能見 セ・リーグの予想は難しかったです。中日は元々投手陣がいい中で、小笠原が覚醒してさらに可能性を感じます。

 野村 ヤクルトは抑えは誰がやるの?後ろが誰かで変わってくると思う。クローザーが代わるっていうのは出だしが肝心。スタートで2回続けて失敗したりすると…。

 矢野 昨年まで戦ってきてヤクルトの高津監督はうまいと思うことがあって、1年間戦っていく上で勝ちパターンだけで一番上に立つのは難しくて、勝ちパターンがあった上でどれだけ他のメンバーをそこに入れていけるのか。“え!?ここでこの投手を持ってくるのか”とか。例えば昨年は湯浅を3連投させないとか、チーム全体で戦うことが求められる。オリックスの中嶋監督も“そんなところでこう使うのか”とか、固定はしてても、少し動かしていって、最初勝ちパターンじゃない投手も最後はそこまで上げていくみたいに。

 野村 中日には可能性を感じますが、やっぱり打線だよね。

 赤星 ビシエドとアキーノが打つかどうかですよね。高橋宏と小笠原の2人で引っ張って、大野雄と柳がこの2人についていく感じになっていくのが理想ですよね。

 (終わり)

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