高知の記録員・島田君 チームを支えた“19番目の選手” 夏こそは「甲子園のマウンドに立ちたい」

[ 2023年3月28日 07:00 ]

第95回選抜高校野球大会第8日・3回戦   高知4―6専大松戸 ( 2023年3月27日    甲子園 )

<専大松戸・高知>記録員でベンチ入りした高知・島田(撮影・北條 貴史)
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 【いっちーの球春胸キュン日記】高知のベンチには、頼もしい“19番目の選手”がいます。記録員の島田晃成君(3年)です。伯父は前監督の島田達二さんで、兄・大輝さんは阪神・森木大智投手と一緒にプレー。自身も当然のように高知に憧れ、その門を叩きました。

 指名を受けたのは、今月に入ってからでした。浜口佳久監督に記録員の打診を受け「ベンチに入れるうれしさと、選手として出場できない悔しさが半々」と胸中で複雑な思いが交錯しました。それでも“黒子役”を受諾。開会式ではプラカードを持ってチームの先頭を行進する役割も担いました。「ここが甲子園なんだな」。聖地の空気を肌で感じ、気持ちを高ぶらせました。

 久保明弘部長が「スコアのつけ方も丁寧で緻密。監督の指示も的確に素早く伝え、相手選手のデータも瞬時に出してくれる。先の行動がとれる選手」と大絶賛するほど、チームの重要な戦力。選手が試合に集中できるように、道具の整理整頓も欠かしません。

 学校では特進クラスに所属し、学業もトップクラス。その卓越した判断力で、ベンチ内をスムーズに回しました。この春、聖地で記した2勝のスコアブックも「書いていて、いつもよりうれしさがあった」。とはいえ、本来は1メートル80の大型左腕。「体をしっかりつくって甲子園のマウンドに立ちたい」。夏は、ユニホーム姿の島田君を楽しみにしています。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。今春に早稲田大学大学院スポーツ科学研究科修士課程を修了。野球選手の障害予防が専門。

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