2023年「巨人の1番オコエ瑠偉」　環境は人を変えるのか、高校時代の輝きを取り戻せるのか――

巨人のオコエ瑠偉
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　まだオープン戦とはいえ、ここまでの活躍は予想外だった。昨オフに初開催された現役ドラフトで、楽天から巨人に移籍したオコエ瑠偉外野手（25）が、31日の中日との開幕戦スタメンの座を手中に収めた。

　一昨年は2月に左手首を手術。昨年は左膝手術の影響もあり、新天地で実に3年ぶりのキャンプ完走を果たした。「いい感じにキャンプを過ごせたのでオープン戦でも、もっと頑張ろう」との言葉通り、キャンプ中の実戦から13試合連続安打をマーク。WBCの陰に隠れた形となったが、主に「1番・左翼」を任されたオープン戦の数字も終わってみれば、打率・310、3打点。来日2年目のウォーカーが出遅れているのを横目にアピールに成功した。これまでの監督歴で、清水、高橋由、坂本らをトップバッターとして起用してきた原監督も「1番になかなかいないタイプ。（死球に）逃げないし、痛いのかゆいの言わない」と評価。打線の「フロントページ」と称する1番打者にオコエを据えることに太鼓判を押した。

　オコエは関東第一で3年夏に彗星のごとく現れ、走攻守3拍子そろったリードオフマンとして甲子園を席巻。母校を初の4強進出に導き、早実1年の清宮幸太郎（現日本ハム）とともに、新たなスター誕生を予感させた。プロ入り後はなかなか結果を残すことができず、ビッグマウスなど、グラウンド外でばかり注目を集めてきた。

　今年でプロ8年目。環境は人を変えるのか――。高校時代の輝きを取り戻せるのか――。巨人の新リードオフマンの一挙手一投足から目が離せない。（記者コラム・花里　雄太）