阪神・湯浅 50試合登板の原動力はブルペンの温かいムード「みんなで高め合いながらできている」

[ 2022年9月3日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2ー2巨人 ( 2022年9月2日    甲子園 )

<神・巨>8回無死、坂本を三ゴロに仕留めた湯浅(撮影・平嶋 理子)
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 シーズンが深まるにつれて阪神・湯浅の安定感が増してきた。0―0の8回、西勇からバトンを受けて2番手で登場。今季50試合の節目を、3人で打ち取った。

 簡単な相手ではなかった。1番から始まった強力な巨人打線の坂本、ポランコ、丸に自分のスイングをさせなかった。わずか8球。テンポの良い投球が景気付けになったか、直後の攻撃で打線が2点をもぎ取り、一時はリードを奪った。

 「上位打線だったが、チームにいい流れを持って来ようという気持ちでマウンドに上がった。しっかり3人でイニングを終えることができてよかった」

 23歳の若さで50試合に到達したのは、球団では02年金沢健人以来20年ぶりだ。独立リーグから入団し、度重なる腰痛に苦しみ、プロ3年目の昨季初めて1軍で投げた。その年は3試合の登板。残した足跡は小さいものだったが、1年後、劇的に飛躍した。上から投げ下ろす角度のある150キロ台の直球とフォークを軸に“8回の男”に定着。50試合は、今季のセでDeNAエスコバーと伊勢のみがクリアしている数字だ。

 1人の力でたどり着いた数字ではない。岩崎、岩貞らが引っ張るブルペンの温かいムードに背中を押されている。1軍に昇格した選手がいれば、練習前に救援陣とコーチが円になって拍手で歓迎。その円陣では時に“一発芸”のようなノリで盛り上がる時もある。

 「居心地がいいというか、先輩方がしゃべりやすい空気をつくってくれる。今のチームワークは強いものがある。みんなで高め合いながらできている」

 延長戦は岩崎、浜地、岩貞の粘りで守り抜いた。レベルが高い仲間がいるからこそ、成長できる。19試合まで伸びた連続無失点も、刺激と優しさが好バランスで保たれた環境があるからだ。(倉世古 洋平)

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2022年9月3日のニュース