服部弾馬 マラソン代表・勇馬との“兄弟五輪出場”を けがに泣いた1年 日本選手権で「復活」誓う

[ 2021年6月21日 17:00 ]

兄弟五輪出場を誓う服部弾馬(提供写真)
Photo By 提供写真

 東京五輪代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権は24日、大阪・ヤンマースタジアム長居で開幕する。初日(24日)の男子5000メートルに出場する服部弾馬(26=トーエネック)がオンラインで取材に応じ、男子マラソン代表で兄の服部勇馬(27=トヨタ自動車)との“兄弟五輪出場”に向け「現段階では五輪に出られる可能性がある。五輪出場で兄に追いつきたい」と意気込みを語った。

 同大会で参加標準記録(13分13秒50)を突破した上で3位以内に入れば代表に内定する。ただ、気温の高い夏季ということもあって「現実的には厳しい」(服部)と分析。世界ランキングでの五輪出場に切り替え、獲得ポイントの高い優勝を目標に掲げる。
 男子5000メートルの出場枠は42で現時点で服部の順位は世界43位。日本選手権の結果次第では国内のライバルが順位を上げる可能性があるものの「海外勢の動向もありますが、優勝できたらランク的にも出場できると思います」と勝負に集中している。

 東洋大時代は「服部兄弟」として大学長距離界で注目を集めた。19年9月に兄・勇馬が一足先に五輪出場を決め、メディアにも取り上げられる機会も多くなったことで、少なからずプレッシャーもあった。

 五輪延期によって一時は目標を失い、心身共に調子を崩した。昨年3月ごろに左膝を痛め、半年間は痛みが続くなど苦しい時期が続いた。「(兄に比べて)劣っていると思われるんじゃないかとか、自分ももっと頑張らないととかずっと思っていました。やらなきゃやらなきゃと追い詰められて、しんどい時期もありました。五輪は無理かなと思ったこともあった」と当時の心境を明かす。

 そんな状況でも五輪を目指す服部の心の炎は消えなかった。地道な練習が実を結び、5月9日の東京五輪テスト大会(国立競技場)では自己ベストとなる13分29秒65をマークした。「1年間はけがに苦しんできた。復活というか、リベンジしたいという気持ちです」

 6月4日には、4人きょうだいの三男・風馬さん(23)も聖火ランナーとして地元の新潟県十日町市を快走した。服部は「風馬も走ったし、自分も取り残されないようにしないといけないですね。かなり燃えてきた」と号砲を待ちわびている。

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月21日のニュース