さあ大関獲り貴景勝、平成史に名を残す「そう言ってもらえる相撲を」

[ 2019年3月10日 05:30 ]

春場所初日を前に、土俵祭りに出席した関脇貴景勝(奥)
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 大相撲春場所は10日、エディオンアリーナ大阪で初日を迎える。9日は15日間の安全を祈願する恒例の土俵祭りが会場で行われ、大関獲りの関脇・貴景勝(22=千賀ノ浦部屋)も参加。2横綱、3大関がそろう決戦の舞台で、大関昇進を懸ける若武者は平成史に名を残すつもりで勝負に挑む。

 期待が大きいほど燃える男だ。会場を出ると、タクシーに乗り込む寸前まで大勢のファンに囲まれた貴景勝は「結果を出すのが自分たちの仕事。やるしかない」と気合十分。大関獲りとなる春場所初日を翌日に控え、「もう始まるので、しっかり気持ちは高まっている。さらに緊張感が増すようにやりたい」と闘志をにじませた。

 初日は妙義龍、2日目は錦木戦。13勝2敗で初優勝した昨年の九州場所は、初日から6連勝、先場所は3連勝して11勝を挙げた。スタートダッシュを決めて2桁勝利に乗せてきたここ2場所。妙義龍とは過去5戦全勝、錦木にも直近3連勝しており、「力を出し切ることだけ考えてやっていきたい」と自らの相撲に集中した。

 平成最後の場所。貴景勝は前師匠の元貴乃花親方(元横綱)らが土俵を引っ張った1996年に生まれた。歴史の節目の土俵には、大関獲りも懸かるとあって、当然、意識は高まる。「(平成は)30年(以上)あったから(記憶に残る相撲の)1、2番を挙げるのは難しい。自分もそう言ってもらえるような相撲を取りたい」。平成の土俵に名を刻む覚悟で挑む。

 昇進の目安となるのは10勝以上だが、阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)は「星数より内容が大事。正攻法の突き、押しで、これくらい勝てるのだというのを見せてほしい」と内容も求めている。ただ、それに応えるだけの自信がある。「自分の中でも一番いい体の持っていき方ができた。あとは腹を決めていくしかない」。大関昇進を目指す22歳が戦闘モードに突入した。

 《新小結北勝富士初々しく》新三役の小結・北勝富士は初めて土俵祭りに参加し「思ったより緊張した」と初々しい笑顔を見せた。初日は結びの一番で横綱・白鵬に挑む。「硬くなってもしょうがない。自分の相撲を取るだけ。荒れる春にしたい」と意気込んだ。白鵬には3回目の対戦だった昨年初場所で金星を奪っており、先場所は突き落としで敗れたものの、土俵際まで追い込み、相手を弓なりにした。「あの相撲が取れたら」とイメージを膨らませていた。

 《玉鷲こちらも大関へ闘志》初場所で初優勝した関脇・玉鷲は初日を前に闘志が高まってきた。土俵祭りを終えても表情は厳しく、調整は十分かと問われると「そうですね」とうなずいた。連続優勝などハイレベルな成績を挙げれば大関昇進の可能性が出てくる。初日は過去4戦全勝の錦木、2日目は5勝1敗の大栄翔と合口のいい相手とぶつかる。「そこ(合口)はあまり考えず、大事にやりたい。慎重になり過ぎてもいけない」と気を引き締めて臨む。

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