父の夢4度かなえメダルまで…母は涙で「ありがとう」

[ 2014年2月20日 05:30 ]

観客席から娘を見守る父・竹内隆治さん(上)と母・裕子さん

ソチ五輪スノーボード女子パラレル大回転 竹内銀メダル

(2月19日)
 五輪出場を果たせなかった父の思いを受け継ぎ、娘は銀メダルまで獲得した。スタンドで見守った父・隆治さん(60)は「夢の夢をかなえてもらってうれしい」と涙ながらに語った。

 五輪出場は隆治さんの夢だった。日本オリンピック委員会の竹田恒和会長と同時代に五輪選考会にも出た馬術の選手だった。その思いはかなわず、3人の子供たちに「誰か1人は五輪選手になって」と話していた。父の影響を受け、竹内は小4の時に「五輪に出るから」と担任の先生に宣言。工作の授業でも五輪マークと「オリンピック」と書いたコップを作った。

 だが、初出場の02年ソルトレークシティー五輪は直前に不振に陥っていた。代表入りも危ぶまれる状況でふさぎ込む娘に、隆治さんは「そんなことならやめろ。頼んでまでやってもらわなくていい」と叱りつけた。怒る父と泣く娘。最後は「お父さんを五輪に連れていきたい」という気持ちが支えになり代表に滑り込んだ。

 その大会が終わった後だった。隆治さんは地元の寿司店に出掛けて話をした。「俺の五輪は終わったから、おまえがやめたければそれでいい。続けるなら自分のために五輪を目指せ」。そう話しながら親子3人で泣いていると、店のおかみさんが「智香ちゃん、大丈夫?お父さんの言うことなんて聞かなくていいから!」と勘違いして仲裁に入ってきたのもいい思い出だ。「夢」をかなえてくれた娘は、4度目の五輪にして「夢の夢」のメダルも手にした。隆治さんは「ソルトレークの時は実力もなくギリギリで五輪に出させてもらった。今回は実力で2位になった」と心から称えた。

 母・裕子さん(59)も「ありがとう」と涙を浮かべ喜んだ。前日には「いい結果になりそう」とメールが届き、「たくさんの人が応援してくれてるから絶対に大丈夫」と返信して激励した。今回は竹内が可愛がっている甥(おい)から手作りの金メダルを託されてきた。「それを首にかけてあげようと思います」と娘をねぎらった。

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