白鵬63連勝!江戸時代の横綱・谷風に並んだ

[ 2010年11月15日 06:00 ]

<大相撲九州場所初日>上手投げで栃ノ心(左)を下す白鵬

 大相撲九州場所初日は14日、福岡国際センターで行われ、歴代1位の双葉山の69連勝に挑む横綱・白鵬(25=宮城野部屋)は、栃ノ心(23=春日野部屋)を上手投げで下し初場所14日目から続く連勝を63に伸ばした。江戸時代の横綱・谷風の不敗記録に並ぶとともに、大記録まで残り6勝とした。大関陣は琴欧洲(27=佐渡ケ嶽部屋)と把瑠都(26=尾上部屋)が白星スタートを切ったが、右肩を負傷している日馬富士(26=伊勢ケ浜部屋)と魁皇(38=友綱部屋)は敗れた。

【取組結果


 伝説へのカウントダウンが始まった。地方場所の初日では最多40本の懸賞を両手でがっちりとつかみ、いつもと変わらぬ様子で花道を引き揚げてきた白鵬は「緊張はありましたが、もともとこの地位は緊張感がある地位。迷いはありませんでした」と笑みを交え振り返った。228年前、浅草御蔵前八幡で谷風が記録した不敗記録に並び、もう上には双葉山しかいなくなった。「江戸時代ってとんでもない時代。勝ち続けることが恩返し。それがぴったりの言葉」

 仕切りの途中、観客から「双葉山!」と声が飛んだ。しかし全神経を立ち合いに注ぎ込んでいたため「聞こえなかった。無我夢中です」。栃ノ心に左に動かれ、左上手を取られたが、すぐに下手投げを打って上手を切る。反対に左上手をつかむと、土俵下で見ていた中村審判長(元関脇・富士桜)が「栃ノ心の腕がきまっちゃうと思うくらい強烈だった」という左からの投げで料理した。

 この日の朝稽古では稽古場の敷地に柵をし、九州入り後初めて報道陣とファンを完全シャットアウト。育ての親の熊ケ谷親方(元幕内・竹葉山)は「本人や宮城野親方(元十両・金親)が決めた。記録をつくりたいので、そっとしておいてほしいという思いだ」と説明した。場所入り前の昼食の際には「手がつかないように」と初日恒例の鶏のちゃんこで験担ぎ。しっかりと心を落ち着かせ、会場に乗り込んだ。

 宿舎の自室には双葉山にまつわる本を数十冊持参。朝稽古には、その出身地である大分県宇佐市の関係者の訪問を受け、「気にせずに記録を抜いてください」と伝えられたという。「あしたから気をつけること?自分自身の問題でしょう。あれこれはない」。目標は自分自身に勝ち、そして歴史を塗り替えることだ。

 ≪栃ノ心「強いよなあ」≫栃ノ心は立ち合いで動いて、うまく左上手を取った。しかしすぐに切られて横綱の十分の形に持ち込まれ、上手投げで敗れた。「師匠から稽古の時に言われた通りで、立ち合いは良かったけど。投げで崩してもっと速く攻めたかった」と残念そう。秋場所も先に左上手を取りながら攻めきれなかった。「立ち合いで慌ててくれない。右を差されたくなかった。まあ、強いよなあ」とあらためて横綱の強さを実感していた。

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2010年11月15日のニュース