高橋逆転V!GPファイナル進出一番乗り

[ 2010年11月15日 06:00 ]

男子で優勝した高橋大輔のフリー

 フィギュアスケートGPシリーズ第4戦スケートアメリカ第2日は13日、米オレゴン州ポートランドで行われ、男子フリーでショートプログラム(SP)2位の高橋大輔(24=関大大学院)が148・95点をマークし、逆転優勝した。SP1位の織田信成(23=関大)はジャンプが重複するミスを犯して2位。高橋はNHK杯に続く今季2勝目、日本男子単独最多のGP通算6勝目を挙げて12月のGPファイナル(北京)進出を決めた。女子SPの村上佳菜子(16=中京大中京高)は2位につけた。

 得点表示を待ちわびる織田と、演技を終えていた高橋の不安な顔が会場の大型スクリーンに交互に映し出された。日本男子最多のGP5勝で並んでいた2人の一騎打ち。0・98点差での逆転優勝が決まると、高橋はホッとした表情を浮かべた。

 織田のミスで転がり込んできた優勝だった。織田は3度までの連続ジャンプを跳んだ後に3―2―2回転を跳んで0点判定。これがなければ、織田の優勝だった。高橋は冒頭の4回転が3回転になり、トリプルアクセルも手をつきかけた。中盤には転倒もあったが「NHK杯よりはいい演技だった」と前を向いた。

 右ひざの手術後だった昨季より体調が格段に上がった。一方で「もっと気合入れなきゃと思うときもある」と言う。それが安定しないジャンプにつながった可能性もあるが「練習でコンスタントに跳んでいきたい」と焦りはない。あえて難しいプログラムに取り組んでいる自負があるからだ。

 長光コーチは「ステップの前にスピンがあり、目が回った状態でステップに入る」と説明する。高橋も「ジャンプとの相性がいい意味で難しくなっている」と言う。もっと滑り込めば演技の質を高められる自信があるだけに「ステップでも、もっとプラスをつけてもらえるようにしたい」と今後の課題を口にした。

 運もあったとはいえ、一番乗りで切符をつかんだGPファイナル。五輪翌シーズンにモチベーションを維持するのは難しいが、高橋は新たな境地に向けてゆっくりと、着実に前に進んでいく。

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2010年11月15日のニュース