佐伯逃げ切った!3年7カ月ぶりの2勝目

[ 2010年11月15日 06:00 ]

<伊藤園レディスゴルフ最終日>優勝を決めた佐伯はトロフィーを掲げる

 女子ゴルフツアー伊藤園レディース最終日は14日、千葉県長生郡長南町のグレートアイランド倶楽部(6599ヤード、パー72)で行われ、首位スタートの佐伯三貴(26=日立アプライアンス)は最大4打差のリードを1打差まで迫られたが、通算10アンダーの206で逃げ切り。07年4月のフジサンケイ以来、約3年7カ月ぶりのツアー2勝目を飾った。横峯さくら(24=エプソン)は通算4アンダーの7位に終わり、賞金ランクトップのアン・ソンジュ(23=韓国)との差は約3478万円に開き、残り2試合での逆転は難しくなった。

【最終R成績


 運命のいたずらか。勝利の女神は佐伯に07年と全く同じ舞台を用意した。1番のバーディーで勢いに乗り、8番までの4バーディーでイ・ナリ、中田との差を4打に開いた。ところが、16番を終えたところで2人とは2打差。07年はここから連続ボギーでプレーオフの末に涙をのんでいた。

 「後半は本当につらかった。でも、ここまで来て泣くのは嫌だった」という17番は3パットのボギーで1打差。“07年の再現か”の声も飛んだ。18番の残り150ヤードの第2打。ピンはグリーン左の池寄りに切られていたが「絶対にピンを狙わない」と言い聞かせ、安全なグリーン中央へ。「本当に震えた」という1・5メートルのパーパットを沈めて、歓喜の涙を呼んだ。

 「07年はピンを狙って失敗した。今年は頭を使って残り3ホールをプレーした」。表彰式で3年前の雪辱をギャラリーに報告した。

 3年7カ月を要したツアー2勝目。その間は1Wに苦しみ「もう真っすぐに飛ばない。ゴルフをやめたい」と家族に打ち明けたこともある。「でも自分からゴルフを取ったら何もない」と気付き、今季は持ち球をドロー系からフェード系に変えた。夏すぎに球筋が安定すると、日本オープン2位、ミズノクラシック4位と調子を上げ、2勝目へとつなげた。

 所属事務所の社長は歌手の松山千春。「お待たせしましたと報告します。私の歌を(作ってもらえるように)頼んでみましょうか」。復活を遂げた佐伯は笑顔に戻っていた。

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2010年11月15日のニュース