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こだわり旬の旅

【長野・松本】“奥座敷”美ヶ原温泉は1300年の歴史 肌なじみ良し

[ 2020年11月27日 20:29 ]

営業する95室全室が北アルプスを望める「翔峰」
Photo By スポニチ

 松本駅からバスで25分の美ヶ原温泉は1300年の歴史ある古湯。奈良時代の「日本書紀」には「束間(つかま)の温湯」として記され、時の天武天皇が同温湯に行幸しようと信濃の国の地形図を献上させたという記述も。以来、松本城主の庇護を受けながら「白糸の湯」、「山辺の湯」、「束間の湯」と呼ばれ、現代では“松本の奥座敷”として親しまれている。

 11軒のホテル・旅館の中から宿泊した「翔峰(しょうほう)」=(電)0263(38)7755=は、東京スカイツリーの高さ(634メートル)とほぼ同じ標高に位置し、95室からの北アルプスの眺望が売り。風呂もバラエティーに富み、3階に18年に新設された展望風呂「美しの湯」、4階には「束間の湯」という、日本書紀をしのばせる名の大浴場と露天風呂がある。

 まずは「美しの湯」に向かったが、半露天風呂と炭酸風呂、内湯、シルク風呂、合わせて約60平方メートルの広さ。名前の通り展望は美しく、半露天からは松本の街並み、その向こうには冠雪した北アルプスの山々が直接望める。浴槽の前には倍以上の幅で水鏡のように水が張られ、その中に風景が溶け込んでいくようだ。

 夜は「束間の湯」へ。こちらは美しい日本庭園を見ながら湯船に入ることができ、美しの湯が洋風なのに対し純和風。岩風呂の露天は実に風情があり、不思議に落ち着く。日本人で良かったと思えるひとときで、天武天皇にでもなった気分だ。

 どちらもお湯は無色透明の弱アルカリ性単純泉(ph8・63)。肌なじみが良く、全身を優しく包んでくれる感じで、体がよく温まる。神経痛や冷え性などに効能があるというが、1日2度入れば効能も倍増?だ。
  

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