こだわり旬の旅

【栃木・宇都宮&那須】地下に潜む巨大空間…まるでインディ・ジョーンズの世界

[ 2018年12月2日 19:00 ]

地下神殿を思わせるような大谷資料館の鹿採掘場跡。インディ・ジョーンズが出てきそう
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 都道府県魅力度ランキングで最下位争いを続ける栃木県だが、魅力的な観光地は多い。その代表的存在が宇都宮市の大谷(おおや)資料館。大谷石の地下採掘場跡で、今年5月、採掘の歴史が日本遺産に認定されたばかり。また、那須塩原市の明治期の華族の別邸も同遺産に認定されるなど、見どころはいっぱい。日本遺産を中心に晩秋の栃木路を歩いた。

 これが採掘場跡?東北新幹線宇都宮駅からバスで約30分。大谷景観公園の奇岩群を横目に大谷資料館に到着。8度という真冬のような気温の地下採掘場跡に足を踏み入れると、想定外の巨大な空間が広がっていた。

 それもそのはず、採掘場跡は一般の人の目に触れることがない「未知なる空間」で、広さ約2万平方メートル(140×150メートル)、深さ30メートル、最深部は地下60メートルにも及び、野球場が1つ入ってしまう大きさ。その中に採掘後の大谷石が壁や柱となって直角に立ち、スロープとなって続く。壁面には手掘り時代のツルハシの跡が残り、歴史を感じさせる重厚さ。まさに巨大な地下神殿のようで、映画のインディ・ジョーンズやラビリンス(迷宮)の世界を思わせる。

 大谷石とは宇都宮市大谷の付近一帯から採掘される流紋岩質角礫凝灰岩の総称。8世紀の中頃、下野国分寺の土台石として初めて利用され、1922年(大11)には米建築家、フランク・ロイド・ライトの設計で建てられた旧帝国ホテルにも使用されたという。

 採掘が本格的に始められたのは江戸時代の中頃から。当初はツルハシで採掘され、機械化されたのは1959年(昭34)からで、切り出された石は約1000万個にも。第2次大戦中は地下倉庫や軍事工場として、戦後は政府米やワインの貯蔵庫として使われたそうで、80年代からは映画やドラマの撮影、コンサート、最近は展覧会や歌手のプロモーションビデオなどに活用されている。

 こうした採掘の歴史が日本遺産に認定されたわけだが、「実はこの一帯にはまだ10億トンの石が埋まっており、採掘したのはわずか1%未満。今も250ヵ所で石を採掘しています」と館長の鈴木洋夫さん(65)。気の遠くなるような数字にただ圧倒されるばかりだ。

 幻想的、神秘的な“大谷石ワールド”に花を添えてくれたのが、大谷石の壁が落ち着いた雰囲気を醸し出すアジア料理店「像の家」のランチ。コース料理でゴイクン生春巻き、トムヤンクンタイ海老スープ、カレー(3種類から選択)など4品にドリンクも付いて1250円とリーズナブルな値段。メニューはもちろん、ピリ辛でパクチーの効いた味わいが異国情緒たっぷり。採掘場跡の地下空間から別世界が続いているようだった。

 ▽行かれる方へ 車は東北道鹿沼ICから20分、宇都宮ICから12分。入館料800円。問い合わせは大谷資料館=(電)028(652)1232、像の家=(電)同1422。

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