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マダイは中華風あんかけ

[ 2020年12月1日 07:28 ]

良型アマダイ                               
Photo By スポニチ

【一釣一品食べま専科】アマダイを食す。中華風あんかけでね。おまけとして外道と呼ぶにはもったいないイトヨリの湯引き。底付近にいる高級美味系の競演さ。平塚・庄三郎丸で微細な当たりに挑んだ。 (スポニチAPC・町田 孟)

 脇役が主役を食っちまうってあるよね。

 例えばだ。訳ありじゃあないにしても女友達に「私の友人」を紹介されたとしよう。たいていの場合自分より上ってことはないな。

 愁いを含んだ瞳と豊満な体にまとったピンクのドレスが妖艶なスター、アマダイ。洋風マダムってとこか。

 後ろで控えめにしている連れが、イトヨリ。決して美人じゃあない。でもね、どこか気を引くんだ。こざっぱりと着こなした銘仙の小袖。朱鷺(とき)色に黄色い帯締めが映える。細面の和風タイプかな。世評ではアマ女に一歩譲る。けれど、実際はなかなか。目移りしちゃう。で、どうするったってそりゃあ。あなた…。

【釣戦】仕掛けは全長2メートル、ハリスは幹、枝とも3号。朝イチ、望月幸雄船長=写真=から指示が出る。「今のところ潮が動いていないので、タナは高め。1・5メートルか2メートルくらいでも」

 水深70~90メートル。右舷胴の間が騒がしくなった。30センチ前後が数匹姿を現す。カケ上がりを攻めるので「タナ取りはマメにして」。

 潮が利いてきた中盤から後半にかけては立て続けに左舷コールだ。「今、出ました」「今度は中型」。先行気味だった右舷はおとなしいもんだ。結局、右と左の割合は3対7くらいだったんじゃないかな。自然相手に法則がないのは承知していても、船釣りの不思議だ。

 望月船長の今季の見立ては「タナは基本1メートル。シャカシャカ誘わないでゆっくりの方がいいみたい」。せっかちには苦難が待ち受けるかも。

【クッキング】ウロコ付きのままに三枚に。松笠風に仕上げるんだ。小骨を処理したら、身側に塩、コショウ。一口大に切って皮目をガスバーナーで焼く。中火くらいで一枚一枚めくるように当てる。フライパンに油を注ぎ、皮目を下にして高温で40秒揚げたらウロコが総立ち。

 甘酢あんはケチャップ多め。酢、砂糖に酒、鶏がらスープのもとを溶いておく。その中に油で炒めた千切りのニンジンと玉ネギのスライスを入れて一煮立ちさせる。水溶き片栗粉でとろみをつけてたっぷりかける。

 イトヨリはさっと湯引いて姿盛り。

 日ごろはアマダイ党の家人、ハシが止まらん。「イトヨリったら、もう!」。なんだい、アンタも脇に目移りかい?

○…船首に陣取る異端の主。2・5メートル以上はある長竿を自在に扱う姿は佐々木小次郎か。北区から遠征してきた武井紀予文さん(44=建設業)だ。テンヤマダイ用にスピニングリールをセットし道糸はPE0・8号。「電動より速く巻き取れますよ。村越正海さんの釣り方を見て参考にしてます」。“最先端”のタックルで「底から竿いっぱいに誘い上げます」。普段はルアーが主でアマダイは「冬の時季だけ」。本命は良型含む7匹。強烈な引きに対応して大イナダもゲットした。

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