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新旧折衷作戦で巨大ナマズ攻略

[ 2018年2月10日 07:21 ]

筆者が釣り上げたナマズは72センチ、2・8キロの大型
Photo By スポニチ

 【奥山文弥の釣遊録】多摩川でナマズを釣りました。ロッドはティムコの「Jスイッチ1106―4N」。このロッドは長さ3・3メートルなので両手投げでも片手投げもできます。ゆえに交代という意味で「スイッチロッド」と呼ばれます。素材はナノレジンを採用した最新型です。一方、リールはミッチェル「754シングルアクション」という40年前のもの。高校時代に買った懐かしいものでした。新旧折衷作戦です。

 ラインはロールキャストもしやすいように設計されているオーバーヘッド&Dの6番、S1S2という先端がやや重いシンキング(沈む)ラインです。シンキングラインは種類が多く、ラインの選択が複雑なので困惑します。

 川でフライを沈めて釣る場合は、下流に向かって釣ることしかできません。ルアーのように上流に向かって投げて下流に引くことができないのです。対岸に向かってやや下流に15メートルぐらい投げ、流れによって扇状に川の中をスイング(横切らせる)させます。このスチールヘッド釣りと同じ釣り方を多摩川で採用しています。

 投げる角度を変えて数回流したあと、1〜2歩下ってまた投げる。そうすることによって、その周辺の水域を全て探ることができます。やる気のある魚がいればヒットしますが、フライラインの着水音や影で逃げる魚がいたり、フライラインをよけて悠然と泳ぐ賢い魚もいます。私見では後者の方が多いような気がします。

 賢い魚も食欲はあるわけですから、何度も投げるうちに自然なアクションになって警戒心が解かれた時、突然食いついてくるわけです。当たりは手元にズシッと来ます。そこから頭を振ってイヤイヤする魚と、急流に走りだす魚がいますが、ナマズの場合はイヤイヤがほとんどです。

 この日最初のヒットはいきなり走られ、7ポンド(1・75号)を切られてしまいました。2匹目のヒットも同じような引きで今度はスムーズに糸を送り出し応戦しました。流心からなかなか出てこないので大きなコイかもしれないと思いましたが、それは巨大なナマズでした。(東京海洋大学客員教授)

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