キヨピー 人と人、人と動物の関係に困ったら、ぜひ「同期」してみてください

[ 2023年6月27日 16:33 ]

なかなか同期に入れない、ももたん
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 【谷口キヨコのごきげん!? SOLOライフ】前回のコラムで『相手の行動は自分の思いや行動を鏡で映した結果だと思う』と、書きました。人間同士だとそう感じることって誰にでもあると思いますが、実は人間対動物でもあるんや、ってことが飼い猫生活24年の私の発見でした。

 でもね~、最近それよりしっくりくる言葉に出合っちゃったんです~。『同期』です、『同期』。よく使う言葉でしょ。これがしっくりくる言葉やな、と。

 『同期』とは、辞書的に『二つ以上の信号やタイミングを合わせること』だそうです。実際にスマホやタブレット、パソコンで同期しますよね、してますよね。で、「同期でけへんわ」ってこともありますよね。その『同期』です。

 人と人、人と一緒に暮らしてる動物とでも『同期』できたら穏やかに暮らせるな、と。

 で、何を同期させるか、なんですが…。もちろん気持ちの同期なんやけど…この場合、気持ちではなく、相手からの心の動きを『シグナル』と捉えます。

 特に言葉をもたない猫との間では、気持ちみたいなものを『シグナル』と捉えると対処しやすくなります。まずは相手のシグナルを知って、それを受け入れてから行動する。前回、愛猫の銀次郎くんの嫌がる点滴をする時、私があれやこれやして、なんとか銀次郎くんに点滴できるようになったと書きましたが、これを「同期やな」って気付いてから、銀次郎くんに点滴することがもっとスムーズになったんです。

 母との関係も変化がありました。高齢の母は思い込みが激しくなって、一度自分が「こうだ」と思ったら、何が何でもその考えを変えてはくれません。それと、あまり外に出られないこともあってか、ストレスがたまりイライラしているので、感情の起伏が激しく、なかなか穏やかには暮らせていない状況でした。それをそのまま私にぶつけてくるので、正直なかなかきついものがありました。

 でも高齢で体のあちこちが調子の悪い母ですから、それも仕方ないと私も諦めムードで、なるべく気持ちの揺れを起こさないように、と過ごしていました。それでも母の機嫌が良くなることはなく、帰宅すると不機嫌な母が真っ暗な部屋の中にポツンと座ってる…。なんとかしないといけないのだけれど、どうしようもない状態でした。

 これまではそんな母に「どうしたん?」「何があかんの?」と尋ねていました。自分でも言葉にできないモヤモヤやイライラやのに、それを娘に問いただされると、母は話してるうちにパニックになっていくことがありました。そうなると、小さい肩を震わせて興奮して…手がつけられなくなるのですが、その時は血圧も上がっていてふらふらです。その繰り返しでした。

 そんな時、銀次郎くんの一件から『同期』っていう発想が出てきて、母にも『同期』できるかな、って。やってみたんです。母のピリピリ、モヤモヤシグナルを感じたら、それをまずは受け入れる。「お母さん、なんでピリピリしてんのかなぁ」「モヤモヤはどこか痛いからかな」と、まずは立ち止まって私が自分で考えるのです。そこから体調のせいだったり、外出できないイライラだったり、これまでできてたことができなくなったことの自分に対する怒りだったり…私なりに原因を見つけてそれに寄り添う。これが『同期』の二段階。これだけで母は落ち着くんです。試してみてびっくりしました! マジ、スムーズ! 慰めの言葉とか、そんなんいらないんですよ。パソコンで同期できないと先に進めない時があるけど、まさにそんな感じで母のシグナルと私のシグナルを合わせていくと、独りぼっちでイライラしてた母が私といた方が穏やかになるんです。

 やっぱり私が変わらなあかんかったんですね。もちろん完璧に『同期』することはできませんが、そう思う気持ちはシグナルになって母に伝わるんですね。

 『同期』の感覚でやってみてください。これまでしっくりこなかった関係が、意外としっくり、すんなりとする…ことがあるかもしれませんよ。

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