【王将戦第5局】羽生九段 妙手3三桂も「正確に読み切れなかった」悔しカド番2勝3敗

[ 2023年2月26日 18:49 ]

<第72期ALSOK杯王将戦 第5局第2日>熟考する羽生九段
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 将棋の第72期ALSOK杯王将戦7番勝負(スポーツニッポン新聞社ほか主催)第5局は、25、26の両日、島根県大田市の「さんべ荘」で指され、羽生善治九段(52)が藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含む5冠=に敗れた。史上最年少5冠の若武者と永世7冠の資格を持つレジェンドによる世紀の対決の通算成績は羽生の2勝3敗となった。

 序盤から大駒の交換が行われ、お互い王の守りも薄い。緊迫した空気の中、藤井が2時間の長考で41手目▲4五桂と指し、さらに激しい攻め合いに突入。当初藤井が飛車角を使った豪快な攻めで迫っていたが、細やかな技の数々で羽生が応戦。82手目△3三桂には立会人の福崎文吾九段(63)も「妙手ですね。流れが変わってきました」とうなった。
 
 ただ、「正確に読み切れなかった」と形勢逆転までにはいかず、その後の手を悔やんだ羽生九段。息詰まる大熱戦で惜しくも力尽き、後がなくなった。

 対局を終え「ちょっと対応を誤ると一気に終わってしまいそうな局面が続いていた。序盤は経験のある形だったんですけど、早い段階で前例のない形になって、そこからは手探りでやっていたという感じでした。自信ない局面がずっと続いてたのかなというところですかね」と緊迫した終盤戦を振り返った。

 先手番となる第6局は3月11、12日に佐賀県上峰町の「大幸園」で行われる。藤井王将に王手をかけられた崖っ縁にも「まあ、はい。しっかり調整していい将棋が指せるように頑張ります」と逆襲に向けて前を向いた。

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