羽生九段が抜いた宝刀「横歩取り」 居飛車の代表的戦法 大駒乱舞する激しい戦いになる傾向

[ 2023年2月26日 05:04 ]

第72期ALSOK杯王将戦第5局第1日 ( 2023年2月25日    島根県大田市「さんべ荘」 )

熟考する羽生九段。右は藤井王将
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 挑戦者・羽生善治九段(52)が、ついに伝家の宝刀を抜いた。今年度の復調を支えている後手番での横歩取りを5局目にして採用。シリーズの分岐点となる大一番で果敢にブレークを狙うものの、藤井聡太王将(20)からの大胆な猛攻を受け、48手目を悩ましく封じた。

 「横歩取り」は居飛車の代表的な戦法の一つ。互いに飛車先の歩を交換した後、先手が飛車の横利きで角道を開けた後手の歩を取る戦型。飛車角などの大駒が乱舞する激しい戦いになりやすい。

 古くは江戸時代から指され、横歩取りの中にも多くの種類がある。今回羽生が選んだ「△3三角型」は昭和後期に内藤国雄九段(83)が積極的に採用し、華麗な駒さばきから「内藤流空中戦法」とも呼ばれる。 

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