「どうする家康」木村昴 大河子役審査に落ちた過去“まんま”ネット話題の渡辺守綱 自身もジャイアン意識

[ 2023年2月26日 11:00 ]

大河ドラマ「どうする家康」第7話。渡辺守綱(木村昴・中央)が“ジャイアンキャラ”だとSNS上の話題に(C)NHK
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 声優の木村昴がNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・00)に徳川家臣団・渡辺守綱役で2年連続の大河出演。初登場した前回第7話(2月19日)は、その立ち振る舞いが自身が声を演じる国民的アニメ「ドラえもん」のジャイアンのようだとSNS上の話題を集めた。役作りについて、木村も「パッと浮かんだのは、僕がずっと演じてきたあの“ガキ大将”」とキャラクターを重ねたことを告白。子役として活動していた小学生の頃、大河のオーディションに何度か落ちたことも明かし「当時から日本人離れした顔立ちをしていたため、時代的にも時代劇にも合わないと言われ、なかなか役に恵まれなかったんです。ですが時代が回り、この顔でも大河ドラマに出られるようになりました!(笑)」と大喜びしている。

 <※以下、ネタバレ有>

 「リーガル・ハイ」「コンフィデンスマンJP」シリーズなどのヒット作を生み続ける古沢良太氏がオリジナル脚本を手掛け、嵐の松本潤が主演を務める大河ドラマ62作目。弱小国・三河の主は、いかにして戦国の世を生き抜き、天下統一を成し遂げたのか。江戸幕府初代将軍を単独主役にした大河は1983年「徳川家康」以来、実に40年ぶり。令和版にアップデートした新たな家康像を描く。古沢氏は大河脚本初挑戦。松本は大河初主演となる。

 木村が演じるのは「槍半蔵」の異名を持ち「徳川十六神将」に数えられる渡辺守綱。今作は「槍もトークも一級品」というキャラクター。第7話「わしの家」で初登場した。

 松平元康(松本潤)は「家康」に改名。年貢徴収の調査のため、一向宗の宗徒が集まる本證寺に潜入した。そこには巨大な町がつくられ、住職の空誓(市川右團次)は「民が苦しむのは武士のせいだ」と説いていた。

 寺内町にいた守綱は家康たちに出会うが、百姓姿に変装していたため気づかず。「汚え連中だな。そんな面じゃな、女にモテんぞ。顔くらい洗え、あほたわけ!」と家康の頭を叩き「俺を誰だと思っとる。渡辺守綱様だぞ!」と家康の首を締め上げ。「どっかで見た顔だな」と立ち止まったものの「気のせいか」と酒を飲みに向かった。

 その後、瀬名(有村架純)とバッタリ出くわし、揉めながら引き揚げる家康一行。その様子を建物の上から目にした守綱は「やっぱりそうじゃ。なんで俺は気づかなかったんだ!やっちまった~」と悔やんだ。

 SNS上には「そのまんまジャイアンw」「三河のジャイアン」「リアルジャイアン(笑)」などの声が続出。放送終了後(19日午後9時)にはツイッターの世界トレンド6位に「ジャイアン」、43位に「渡辺守綱」が入る大反響を呼んだ。

 木村は「鎌倉殿の13人」第3話(1月23日)に以仁王役で出演し、大河ドラマ初出演。この時も「ジャイアン」が国内トレンド入りした。

 同局を通じた木村のコメントは以下の通り。

 ――今作への出演について。

 【木村】昨年の「鎌倉殿の13人」に続き、2年連続で大河ドラマに出演させていただくことができ、大変光栄に、うれしく思っております。前作では1話のみの出演で台詞も3行ほどだったので、今回も「わずかでもお力になれれば…」くらいの気持ちでいたのですが、台本を束でドーンと頂きまして、結構出てくる役なのだと悟りました。うれしい反面、「どうする昴!?」と思ったところからスタートしました。

 大河ドラマへの思いを語ると、私が小学生の頃にさかのぼるんですけれども…僕の祖父は大河ドラマが大好きだったんです。当然毎年欠かさず見ていましたし、関連書籍やその歴史の文献も並行して読みながら見るくらい、それはもう熱烈なファンだったんです。ですから、僕もいつしか「大河ドラマ、カッコいいな」「いつか僕が出てる大河ドラマをおじいちゃんに見てほしいな」という気持ちが自然と芽生えていきました。

 実は小学生の頃に、子役として4作品くらい大河ドラマのオーディションに挑戦したことがあったんです。しかし、自分で言うのも変ですが、(ドイツ人の父を持ち)当時から日本人離れした顔立ちをしていたため、時代的にも時代劇にも合わないと言われ、なかなか役に恵まれなかったんです。ですが時代が回り、この顔でも大河ドラマに出られるようになりました!(笑)昔挑戦した経験があるからこそ、こうして大人になって出演できることが本当にうれしいです。

 ――役作りについて。

 【木村】渡辺守綱は槍の名手であったということで、豪快な立ち回りも見どころです。そして、性格としては「おおらか・女好きの一面もある・我が道を行くタイプ」だと最初にうかがいました。それを聞いてパッと浮かんだのは、僕がずっと演じてきた、あの“ガキ大将”(ジャイアン)でした。豪快で自由奔放だけど、ここぞという時は凄く優しくて頼りになる。そうした部分が重なり、役のイメージは“ガキ大将”とも照らし合わせながら膨らませました。

 そして今回、渡辺守綱を演じるにあたってはオリジナリティーを出したいという思いもあり、敢えて戦国時代っぽくないキャラクター作りをしようと努めています。もちろん考証の先生方がいらっしゃるので、所作から言葉遣いまで細かくご指導くださっています。でも“少しだけ、その枠を超えてみよう!”という試みをしているところです。「どうする家康」という作品の中で、やや異色というか、視聴者の皆さんの想像をほんの少しだけ超えられるような役作りを頑張ってみたいと思っています。

 ――第7話を振り返って。

 【木村】本證寺の寺内町で印象に残っているシーンの一つに、南無阿弥陀仏…とお経を唱えながら、皆で大盛り上がりし、踊るシーンがあります。多くの人はそれぞれ踊っているのですが、守綱だけは周りにいる女性たちを集めて「一緒に踊ろう」と手を取るんです。考証の先生のお話では、人前で男性に手を握られることは当時の女性にとって恥ずかしいこと。さらに手を引かれて腕が出てしまうと、それはより一層恥ずかしいことだったのだそうです。

 しかし、守綱の性格を考えると、きっとテンションが上がると身体が勝手に動いて、気がついたら女性の手を掴んで一緒に踊ってしまう勢いがあるのではないかなと。なんせ豪快な男ですから(笑)。そうしているうちに女性の側も恥ずかしいなんて気持ちは吹き飛んでいき、楽しい雰囲気で一緒に踊り出す…という。守綱らしさを出しつつ、シーン全体の空気をつくっていけたらと思いながら演じましたので、注目していただければ幸いです!

 視聴者の皆さんに物語を楽しんでいただくことを第一に考えつつも、時には時代背景にとらわれ過ぎず“我が道を行く守綱”を意識して演じていけたらと思っています。いい塩梅を模索していきたいです。

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