KADOKAWA社長 五輪汚職で支払った7000万円「全く不必要なものだったと認識」

[ 2023年2月2日 17:43 ]

記者会見に出席した夏野剛氏
Photo By スポニチ

 出版大手KADOKAWAの夏野剛社長(57)が2日、会見を開き、東京五輪・パラリンピックの汚職事件で前会長の角川歴彦被告が逮捕、起訴された事件を受け、再発防止策を含む今後の取り組みを発表した。

 同社は2019年6月、大会組織委員会元理事の高橋治之被告=受託収賄罪で4回起訴=の知人の会社とコンサルティング契約を結び、7000万円を支払ったとして、角川被告が贈賄の罪に問われている。また先月には、ガバナンス検証委員会の調査報告書を公表し、角川被告らの責任を認定した。

 会見で「今回の事件で得たもの、失ったもの」について聞かれた夏野社長は、まずスポンサー料に言及。「結果的にコロナがあって、私どもが作っていたものはガイドブックとか、そういったもので、結局、無観客になってしまったので、そういったものが一切、売れなくなった。まったく採算が合いませんでした」と説明した。

 また賄賂性を指摘された7000万円については、「検証委員会の対象になっているのは、7000万円の不適切な支出。私自身、オリンピック委員会の参与をしていますが、全く不必要なものだったと認識しておりますので、全く得るものは何もなかったと思っています」と断言した。

 五輪汚職で会長が逮捕、起訴される事件を起こしたことで、「78年の歴史の信頼、ブランドがお客様の期待を裏切ったというのは、極めて大きな痛手だと思っています」と反省。「これをきちんと立て直すために、徹底的に見直す、あらゆることを見直すというのが、これから得られるものだと思う」と前向きな考えを示した。その上で「かなり早いスピードで改革案、調査報告書を開示しているのも、また新しい信頼性のKADOKAWAを作っていきたい、これを得るものにしたいと思っています」とも語った。

続きを表示

2023年2月2日のニュース