五輪汚職 前会長逮捕のKADOKAWAが「覚悟を持って」再発防止策 忖度撲滅へ過半数を社外取締役に

[ 2023年2月2日 17:02 ]

汚職事件について謝罪する夏野剛氏
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 出版大手KADOKAWAの夏野剛社長(57)が2日、会見を開き、東京五輪・パラリンピックの汚職事件で前会長の角川歴彦被告が逮捕、起訴された事件を受け、再発防止策を含む今後の取り組みを発表した。

 会見冒頭で夏野社長は「当社グループのユーザー、作家、クリエーターの皆さん、取引先、株主、投資家の皆さんをはじめ、関係する全ての皆様に当社への信頼を著しく裏切ることになってしまったこの事案について、かつ多大なるご心配、ご迷惑をおかけしていることをあらためてお詫び申し上げます」と、あらためて謝罪した。

 会見には外部の弁護士らで構成されたガバナンス検証委員会も委員長らも出席。(1)上席者の意向に過度に忖度する企業風土の改善、醸成、(2)意思決定に関わる内部統制の改善、(3)取締役会等の役割の再認識、改革、信頼の獲得、(4)法令順守意識の醸成、(5)牽制機能の構築の5項目が指摘された。

 こうした問題について、夏野社長は「まずは取締役の監督機能の信頼獲得に向け、取締役会の改革を第一に取り組むべきと思っております」と説明。「私自身への提言、クレームとか不満に思うことを社員から直接受けるような窓口も設けている」と、問題を通報しやすい環境を整え始めていることを明かした。この日行われた取締役会では、取締役の過半数を社外取締役にする方針が決議されたことも説明した。

 また企業風土については「長い年月をかけて作られるもので、形だけの制度改革では一朝一夕には改善されるとは思っていない」とし、「何よりも大切なのは、当社の役職員が一体となって、粘り強く様々な形で検証を重ね、改善へ向けて取り組むことだと思っています。どう組織を改革していくか、私が、経営陣が自ら行動で示して、従業員にも協力を仰ぎながら、強い覚悟を持って取り組んでいく」と決意を示した。

 同社は2019年6月、大会組織委員会元理事の高橋治之被告=受託収賄罪で4回起訴=の知人の会社とコンサルティング契約を結び、7000万円を支払ったとして、角川被告が贈賄の罪に問われている。また先月には、ガバナンス検証委員会が公表した調査報告書で、角川被告らの責任を認定した。

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