佐野史郎“骨を剣山で刺すような痛み”が2週間以上 「もうダメかな」と覚悟した瞬間も

[ 2022年12月27日 21:45 ]

佐野史郎
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 俳優の佐野史郎(67)が27日に放送されたNHK Eテレ「ハートネットTV」(月~水曜後8・00)にゲスト出演。昨年4月に血液がんの一種「多発性骨髄腫」と診断された時の率直な思いやその後の闘病生活について赤裸々に明かした。

 佐野は昨年4月、仕事で熊本県に滞在していた時に打ち上げで悪寒を覚え、病院を受診。新型コロナウイルス禍とあってPCR検査を受けると陰性だったが、白血球の数が異常であることが確認された。大学病院で精密検査を受けると、血液がんの一種である「多発性骨髄腫」と判明。5年生存率は約40%という重い病気だった。

 闘病を経て今年3月に活動を再開。現在の体調は「まだ体力はもちろん完全に戻った感じはしないですけどね」としながらも「ただ、細胞移植をすると結局、生き返るっていうか。細胞がこう…若返るっていうか。元からつくり直すわけですから。細胞が4カ月ごとに入れ替わってる感じがしますよね、何となくね。だから悪いことばっかりじゃないですよ」と自身の血液から採取した幹細胞を骨髄に戻す「造血幹細胞移植」についても触れた。

 病気が判明した昨年4月には放送中だったTBSドラマ「リコカツ」を途中降板。その際には病名を「腎機能障害」と発表し、同年12月に所属事務所の公式サイトで「多発性骨髄腫」だったことを公表した。発病時は実際に腎臓の機能が著しく低下。当初はその回復を待たないと治療に着手できない状態で、重い「敗血症」も発症した。さらに40度近い高熱が2週間以上も続いたという。

 抗生剤を変えてもなかなか熱は下がらず。「あまりの熱で。人によって違うんだろうけど、僕の場合は特に骨。剣山で刺すような痛みが。40度ぐらいになると、それが続くともうつらくって。熱は下がらない。やっぱ早く楽にしてくれって思うんだな、ああいう時。痛みに耐えられないのと、あと、全然治らないし」と佐野。さすがに気弱になり「このまま何カ月も続いてたらもつわけない」「もうダメかな」「帰りてーなー」「もう治らなくてもいいから、あした先生に言って、とにかくうち行って、家族でメシ食って、風呂入って、ちょっとビール飲んで。それで死んでいいやって」とネガティブな思考になった瞬間もあったと打ち明けた。

 それでも敗血症を乗り越え、自宅で体力の回復に努めた後の昨年11月に再入院。抗がん剤治療を受けて血液中のがん細胞を死滅させ、その後「造血幹細胞移植」を受けた。抗がん剤の副作用は壮絶だったそうで、髪の毛は抜け、粘膜がただれ、下痢をし、嘔吐感も凄かったという。体重は7~8キロほど落ちたという。

 それでも抗がん剤治療には付き物の「口内炎が一つもできなかったんですよね」と佐野。「コンビニで売っているクラッシュアイスを買って来てもらって、一瞬も絶やさず4時間ずっと」氷をなめ続けていたそうで、口内炎ができなかったことについては「看護師さんに“そんな人初めてです”って」と明るく振り返っていた。

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2022年12月27日のニュース