元村有希子氏 原発の運転最長規定削除方針に「本当に原発が安全でいられるのかという議論もないままに」

[ 2022年10月9日 16:39 ]

東京・赤坂のTBS社屋
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 毎日新聞論説委員の元村有希子氏が9日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜前8・00)に出演。原子力規制委員会の山中伸介委員長が5日の記者会見で、原発の運転期間を原則40年、最長60年とするルールが原子炉等規制法から削除される見通しを示したことに言及した。

 電力の安定供給や脱炭素促進などに向け、原発を最大限活用する岸田政権の方針に沿う対応で、60年超の運転に道を開く政策転換になる。経済産業省は、運転期間に関しては利用政策を扱う経産省所管の法律で定め直す方針を示し、規制委側は容認した。運転期間の規定は東京電力福島第1原発事故を踏まえた規制改革の象徴として原子炉等規制法の改正で導入され、規制委の所管になった。

 元村氏は「福島のような事故を2度と起こさないためにということで、与野党で合意したのが40年ルールだったわけです。それから12年経って脱炭素、つまり二酸化炭素の排出を抑えるという目標にも直面してきて、そこから岸田首相が再稼働を進めるとか、規制を撤廃するということを言い出しているわけですね」と指摘。そのうえで、「私たち、あの強烈な反省の下に、いわゆる推進側の一部局だった原子力安全保安院をわざわざ外に出して、規制委員会として独立させたわけです。その規制の番人が、一見聞くと“推進側に寄っちゃったの”と思われるような発言をするのは少し不可解です」と言い、「ただ、規制庁とか規制委員会としては、個々の原発の安全性は厳しく審査をするので、そこで食い止められると言っているんですけれども、もともとの岸田首相の突然の方針表明も不可解ですし、本当に原発が安全でいられるのかという議論もないままに、こうやって法律が変わっていくというのは私たち国民から見たらちょっと納得がいかないと思います」と自身の見解を述べた。

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2022年10月9日のニュース