藤井王将 久保九段に83手で勝利し、棋王戦初のベスト8進出 年度内6冠へ唯一可能性を残すタイトル

[ 2022年9月1日 20:01 ]

久保利明九段に勝利し、棋王戦初のベスト8進出を決めた藤井聡太王将(日本将棋連盟提供)
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 藤井聡太王将(20)=竜王、王位、叡王、棋聖含めて5冠=が1日、大阪・関西将棋会館で、久保利明九段(47)との第48期棋王戦挑戦者決定トーナメント3回戦に臨み、83手で勝利してベスト8に初めて進出した。

 中盤、猛追を受けた藤井。それでも久保の寄せを冷静に見切って反撃に転じて仕留めた。棋王戦では初のベスト8進出に「棋王戦ではこれまで上の方までいけなかった。この機会を生かせるように頑張りたい」と年度内6冠へ唯一可能性を残すタイトルへの意欲を語った。タイトルホルダーは渡辺明棋王(38)=名人との2冠=。

 振り駒の結果、先手は藤井になり、初手で飛車先の歩を突いた。対する久保は角道を止め、8手目で四間に飛車を振って対抗型に。藤井は25手目、左香を1マス上がって穴熊の構想を示した。

 久保は藤井王に穴熊へ潜るところまでは許したが、銀でハッチを閉める前に戦いを起こし、乱戦に。56手目、金桂の両獲りに打ち込んだ角に、藤井は非勢を自覚したようで「角を打たれたところは苦しくなっている」と終局後に告白。久保も「中盤から終盤の入りまではまずまずかと。ちょっと着地が分からなかった」と手応えを感じていたが、終盤の競り合いで藤井が突き放した。

 対戦は通算7局目。藤井が3連勝で4勝3敗と、同じ関西本部所属でタイトル通算7期の先輩についに勝ち越した。久保戦の3敗全てを許した得意戦法、四間飛車を打ち破った勢いを駆って、次戦で豊島将之九段(32)と阿久津主税八段(40)の勝者とベスト4進出をかけて戦う。

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2022年9月1日のニュース