渡辺徹 闘病支えた息子からの還暦祝い赤パンツ「うれしすぎて、入院中ずっとはいた」

[ 2021年7月12日 05:30 ]

手を重ね笑顔でガッツポーズする渡辺一家。(左から)榊原郁恵、渡辺徹、渡辺裕太(撮影・木村 揚輔)
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 4月下旬に大動脈弁狭窄(きょうさく)症の手術を受けた俳優渡辺徹(60)が11日、都内で退院後初めて取材に応じ、仕事に復帰したことを報告した。妻でタレントの榊原郁恵(62)と長男の俳優渡辺裕太(32)も同席し、初の親子3ショットを披露。2度目の心臓病で入院中に還暦を迎えた渡辺を支えたのは、息子たちから贈られた“赤いちゃんちゃんこ”ならぬ“赤いパンツ”だった。

 「ご心配おかけしました!」。開口一番、渡辺は張りのある元気な声で深々と頭を下げた。2012年に虚血性心疾患による心筋梗塞を発症し、今回2度目の心臓にまつわる大病。4キロ痩せたが“ラガー刑事”のような不屈の精神で現場に帰ってきた。

 約2カ月の入院生活を支えたのは、家族だった。入院中の5月12日は60歳の誕生日で、裕太と次男(25)から赤いパンツ3枚をプレゼントされたことを明かした。「うれしすぎて、もらった直後にすぐはき替えて、入院中ずっとはいた。家族に見守られているって気持ちが強くなった」。手術の日もはいたのは赤パンツ。「手術用のパンツにはき替えるために、脱がされちゃいました」と笑うが、験担ぎとして安心感をもらったことを感謝している。

 贈った裕太は、渡辺からパンツ着用の写真が送られてきたこともあるというが「お父さんのパンツ姿わざわざ見たくないですよね」と苦笑い。渡辺は「裕太に送るために撮ってたら途中で看護師さんが来て変な空気になったりしたんだよ」とにこやかに振り返った。

 今回の病気が発覚したのは4月下旬ごろ。ミュージカル「アリージャンス~忠誠~」の東京公演を終え、体に違和感を覚えた。「本番中も舞台の上手から下手に移動するだけで息が切れた。前回も“疲れやすいな”って感覚から病気が判明したので、大事をとりました」。続く名古屋、大阪公演を降板。元々心臓は12年の時の心筋梗塞のこともあり半年に1度検査を受け、気をつけていた。検査の結果「大動脈弁狭窄症」と診断。入院生活で筋力が落ちたため、5月25日の退院以降、現在も週2日でリハビリをこなしている。

 今秋ついに親子3人での初共演が実現する。朗読劇「家庭内文通」(9月25日、草月ホール)は、17年に渡辺と榊原の結婚30周年を機に開催された絵本の読み聞かせライブ「いまさらふたりで」の第2弾。今回両親との共演が初めての裕太は「父のデビュー40周年と還暦の節目の年。思い切って決断しました」と語った。渡辺は「親子だからだけじゃない、役者としての駆け引きを稽古からやっていきたい」と家族共演に向けて気合を込めている。
 ▽大動脈弁狭窄症 大動脈弁とは送り出した血液が心臓に逆流しないように3枚の弁で開閉する仕組み。狭窄症は加齢などにより硬くなり、弁が開きにくくなり血流が妨げられる疾患。高齢化に伴い発症しやすい。通常は開胸して心肺を一時的に停止させる手術だが、渡辺は開胸せずに行う「経カテーテル大動脈弁留置術 TAVI」という方法で手術を受けた。太腿の付け根あたりからカテーテルを入れ、心臓内に人工弁を取り付ける。時間も従来なら5~6時間かかるところを2時間半で終えることができる。

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