朝ドラ「おちょやん」板尾創路 「笑いのひとつの歴史が詰まっている」

[ 2021年3月10日 08:15 ]

NHK連続テレビ小説「おちょやん」で須賀廼家万太郎を演じる板尾創路(C)NHK
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 NHK連続テレビ小説「おちょやん」で喜劇の巨人・須賀廼家万太郎を演じているタレントの板尾創路(57)が「喜劇が生まれていくさまを見ていただきたい」とコメントを寄せた。

 万太郎の一座は、ずばぬけた観客動員数を誇り、大阪だけでなく、東京でも人気抜群。主人公の千代(杉咲花)や一平(成田凌)らは、万太郎を超えることを目標に奮闘している。

 板尾は自らの役柄について「万太郎は『絶対的な喜劇王』なので、そういう意味ではやりにくい。僕は50代半ばだが、この世界ではまだ若手で、僕らもまだ手の届かないところに喜劇王という存在がある。この時代の喜劇役者の方々で、具体的にイメージが浮かぶのは、僕らの世代にとってはやはり藤山寛美さんで、喜劇の舞台のキングという印象がある」と話す。

 今週の放送では、万太郎と千之助(星田英利)の過去の因縁が、物語の焦点になっている。

 板尾は「千之助との仲たがいについては、方向性の違いや嫉妬などがあるのだろうが、きっと当事者の二人にしか分からない何かかがあるのだろう。いつの時代にも、どこにでもあると思うし、それは笑いの世界にも当然あるものだろう。『まだまだやな』というセリフも、きっと、千之助の実力が、というわけではないと思う」と指摘。

 その上で「芸事なんて正解もないし、ゴールもないので、『これ以上はないやろ』と言ったらもうそこまでだし、『いや、もっと何か他にやり方があるはずや』『これより面白いことがあるはずや』という気持ちがないと伸びない。だから『まだまだやな』というセリフも、逆に『もっとできるはず』という意味だという捉え方もできる」と説明する。

 この朝ドラの見どころの一つが「喜劇」。物語自体と劇中劇の二重構造で、その面白みを堪能できる。

 板尾は「喜劇人の端くれとしては、喜劇が生まれていくさまを見ていただきたい。今は当たり前にあるものが、この時代にいろいろな人たちが関わって、いろいろ試行錯誤して形を変えながら現在に至っている。その過程を楽しんでいただけると思う。日本の笑いのひとつの歴史が詰まっていると思うので、そういったところも注目していただけたら」と語った。 

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2021年3月10日のニュース