藤井2冠 2期連続の10戦全勝で昇級に花添えた! 順位戦B級2組最終局

[ 2021年3月11日 00:40 ]

大阪市の関西将棋会館で行われた順位戦B級2組最終局で中村太地七段(左)を破った藤井聡太2冠(提供・日本将棋連盟)
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 将棋の藤井聡太2冠(18)=王位、棋聖=が10日、大阪市の関西将棋会館で指された順位戦B級2組の最終局で中村太地七段(32)に127手で勝利。2期連続で10戦全勝という圧倒的成績ですでに決めていたB級1組への昇級に花を添えた。

 開局から12時間が経過した午後10時時点でもまだ60手。決めていたという相掛かりの戦型に誘導したものの「珍しい形。序盤は思わしくなかった」という誤算があったためかスローな展開となった。

 ただ、どんな状況でも崩れないのが藤井の強み。テレビ解説を務めていたA級棋士の三浦弘行九段をして「どうやって形勢が傾いたんだろう?」と言わしめた理解不能レベルの終盤力で、最終的には元タイトルホルダーの実力者を圧倒した。

 2期前から続く順位戦の連勝も21まで伸ばし、来期はB級1組へ順位戦の舞台を移す。憧れの谷川浩司九段が持つ史上最年少名人の記録(21歳2カ月)更新のためにはもう昇級の足踏みが許されない厳しい戦いを、A級にひけをとらぬ実力者揃いで“鬼のすみか”と呼ばれるクラスで繰り広げることになる。

 一方、もう一つ注目されるのが年度末の「将棋大賞」表彰対象となる4つの記録部門。現在はこの日の勝利で単独首位となった勝数の43に連勝の16(継続中)、勝率の・843を含めた3冠をキープしている(残る対局数ランキングは3位)。

 特に勝率は、この日の白星で4年連続4度目の8割超えが確定。3度で羽生善治九段と並んでいた記録をデビュー実質4年目で早くも上回ったことに関しては「タイトル戦があり、順位戦でもこれまで以上に手強い相手が多かった。その中で結果を残せたのは自分の思っていた以上のこと」と素直に喜んだ。

 次局、23日の竜王戦2組ランキング戦準決勝、松尾歩八段(40)戦が本年度ラスト対局となる。2冠奪取に沸いた1年をどんな形で締めくくるか注目だ。

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