藤井2冠、パソコン作る! 3冠目「王将戦」を前に“やりたいこと”「1台組み立てたい」

[ 2020年8月22日 05:30 ]

史上最年少2冠獲得から一夜明け、記者会見する藤井2冠(日本将棋連盟提供)
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 第61期王位戦7番勝負第4局に勝利し、無傷の4連勝でシリーズを制した藤井聡太2冠(18)が一夜明けた21日、対局があった福岡市で会見し、3冠目を目指す第70期王将戦(スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社主催)への意気込みを語った。また次戦の9月9日、B級2組順位戦まで19日空くことも判明。1年ぶりの長期オフを経て、2冠として新たなスタートを切る。

 木村一基九段(47)を4連勝で破り、2冠達成してから一夜明け。藤井は和服から一転、カジュアルな青い半袖シャツ姿で登場。「この上ない結果だった」と喜びをかみしめた。

 ひたむきな姿勢と探究心は変わらない。やりたいことを聞かれると「昨日(20日)の対局についてじっくり振り返りたい」。将棋以外では「落ち着いたらパソコンを1台組み立てたい」と語った。人工知能(AI)ソフトを使って将棋の研究に取り組んでおり、パソコンにも精通。昨年末からの冬休みに初めて自作パソコンを組み立てた。

 過密スケジュールの中で行われたダブルタイトル戦が終了し、一息つける時間もできた。王位戦7番勝負の残り3局が消滅したことで9月9日、谷川浩司九段(58)とのB級2組順位戦まで19日間、公式戦がなくなった。昨年9月3日から25日まで中21日の対局間隔に続く長期オフ。遅い夏休みとはいかず学校は始まっているそうだが、リフレッシュのいい機会になりそうだ。

 3冠に向けても余念はない。今後の目標を「実力を高めていく」と見定め、「近いところでは王将リーグが始まる。強い方ばかりなのでしっかり戦えれば」と意気込みを示した。前日20日は朝9時からの対局が午後5時に終了し約30分、木村との感想戦を行った後、自室でなお1時間、第4局を振り返った。そして同日、永瀬拓矢2冠(27)が初のリーグ入りを決めた都内での王将戦2次予選3組決勝を確認したという。

 7人総当たりで挑戦権を争うリーグを勝ち抜けば今年度中に3冠の可能性があるが「まだまだ実力を高めないと。王位戦で見つかった課題がある。そういった形で上を目指していければ」。精度を高めた着手の積み重ねの先にタイトルはある。

 持ち時間8時間の2日制は自己最長。王位戦をストレートで制した手応えは、同じ8時間の2日制で7番勝負を行う王将戦への弾みになる。「指してみて、まだまだ足りないと思ったところがあった。将棋の奥深さを感じた」。棋界での序列は渡辺明王将(36)=名人、棋王との3冠=、豊島将之竜王(30)、永瀬に続く4位へ1つ上昇したが、成長への意欲に陰りはなかった。(筒崎 嘉一)

 《自作PCは「プラモより簡単」!?》パソコンは、演算処理装置(CPU)やハードディスクドライブ(HDD)、モニターなどのパーツをそろえて組み立てることができる。
 PCを自作する著名人では俳優の筧利夫や声優の古谷徹、故与謝野馨元財務相らが有名。専門的な知識は必要なく「プラモデルより簡単」との声もある。ただパーツ選びが難しく、組み合わせによっては動かないこともある。
 事務やゲームなど用途によって組むことができ、パーツの追加や交換による性能アップも比較的簡単。PC本体は1万~2万円から自作可能だが、OSのインストールが必要で、ウインドウズ10なら約2万円。無料OSもある。ただ、2000年代後半から完成品PCの低価格化やスマホの台頭で、自作PC市場は以前ほど盛り上がっていないともされる。
 高いグラフィック性能や処理速度が必要なゲームPCなどは15万円程度が必要とされる。CPUひとつで1万~10万円以上と差があり、こだわれば50万円以上のPCも組める。

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