平原綾香、20日ラグビーW杯開幕戦で国歌独唱の大役「釜石の思い込めて歌いたい」

[ 2019年9月18日 09:30 ]

「お守り」のハーモニカを吹く平原綾香
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 ラグビーW杯日本大会で日本代表がロシア代表と対戦する注目の開幕戦(20日、東京・味の素スタジアム)で、歌手の平原綾香(35)が日本国歌を独唱する。昨年、大会唯一の新施設「釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアム」(岩手県釜石市)のこけら落としで地元中学生と合唱。平原は「選手の皆さんが気合が入るように、そして釜石の人々への思いも込めて歌いたい」と話した。

 「こんな大役を務めさせていただくことになり大変、光栄です。ラグビーと出合ったご縁と積み重ねがあってのことだと思うと、凄くうれしいです」。本紙の取材に喜びを素直な言葉で明かした。

 ラグビーとの出合いは「2006年6月11日です」とよどみなく答えが出るほど、忘れられない思い出。格上のイタリア代表を秩父宮ラグビー場に迎えてのテストマッチ。自身初の国歌独唱だった。
 「絶対緊張すると思っていたんです。それが客席のラグビーファンの皆さんが一緒に大声で歌ってくださったので一気に緊張が吹き飛んで。あの時の感動は一生忘れません」

 まるで、平原の代表曲「Jupiter」の歌詞♪ひとりじゃない――を想起させる瞬間。そして、人生のあらゆる場面で実感することとなる言葉とも、この時に出合った。

 「One for all, All for one」(一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために)

 ルールも知らなかったラグビーだが「スクラムを組んだ時やタックルなど肉体と肉体がぶつかった時の凄い音にビックリして。その後ルールを知るとエキサイティングで面白くて。そこにOne for…の言葉を重ねて見ると全てが尊くて。国歌独唱が“斉唱”になった時もそうですし、ノーサイドの精神とともに今では私の人生の指針です」。

 ラグビーW杯の実話を基にした米映画「インビクタス/負けざる者たち」(09年公開)でさらに魅了され、14年には旧国立競技場で行われた最後の公式戦「日本代表―香港代表」で国歌独唱。昨年には釜石の鵜住居復興スタジアム完成イベントで震災からの復興と故郷への思いを込めた歌「いつかこの海をこえて」を釜石東中学校の生徒たちと合唱した。

 「釜石の人たちは大変つらく苦しいことがあった中、世界のラグビー選手が釜石にやって来る喜びに沸いていると聞いています。人の心を救うW杯って素敵だなと思う。そんな釜石の皆さんの思いも世界に届くよう精いっぱい歌いたい」

 多くの出合いへの感謝の思いを胸に、大舞台に立つ。

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