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関西大学野球リーグ

【近畿学生野球のキーマン】奈良学園大・新井投手 ケガ乗り越え覇権奪回へ腕ぶす

[ 2019年4月5日 15:45 ]

奈良学園大・新井
Photo By スポニチ

 覇権奪回のキーマンに指名されたのは「地獄」を見た男だ。酒井真二監督(41)は「食い込んでくる可能性は十分にある。チームが勝つために何をするかを常に考えている選手」と17年春を最後にリーグ戦登板がない、最終学年を迎えた新井(履正社)の名を挙げた。
 1年生だった16年春からリーグ戦に登板し同秋は大工大戦で完投勝ちするなど3試合で2勝0敗、防御率1・84の成績を残した。軸に成長すべく段階を踏んでいた直後の17年に悲劇は訪れた。8月に右肘疲労骨折が判明し10月に手術。「先が全然見えませんでした」。5時間に及ぶ大手術を行い、その後はリハビリに専念。練習試合で実戦復帰したのは1年後の昨秋だった。
 大学生活の約半分の時間を棒に振ったが「今はケガしてよかったと言えます」と笑う。「今思えば恥ずかしいんですが、最初から試合に出て、おごりがあったと思うんです」。野球の神様から自身を見つめ直す時間を与えられたと受け止めた。サポート役に回ったことで試合に出られない選手の気持ちを知り、地道なトレーニングの重要性も再認識した。後輩にも積極的に助言を求めた。「チームが勝つために何かができればいい」。意識は根底から変わった。
 自覚は行動にも表れる。4位に終わった昨秋リーグ戦後、投手キャプテンに立候補した。「長い目で見てくれた(監督の)酒井さんに恩返ししたい。行けと言われたところで抑えて、帰ってきたい」。直球の最速は術前の141キロに、あと2キロまで迫る。タフな精神力を身につけ、かつてのエース候補が戦いの場に帰ってきた。

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