関西大学野球リーグ

【関西六大学野球のキーマン】急成長の大院大・坂田が優勝導く

[ 2019年4月3日 15:49 ]

大院大・坂田
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 この男、伸びしろしかない。大院大投手陣の柱として期待されるのは、急激な成長で最速を147キロまで伸ばしてきた坂田だ。「球速を出すことよりも、とにかく勝てる投手になりたい」。10年春を最後に遠ざかるリーグ優勝を、剛腕でもたらす構えでいる。

 坂田を一躍、有名にしたのが昨春の大経大戦だった。連盟記録を大幅に更新する16四死球を与えながらも8回0/3を2失点。威力ある直球主体に191球を投げリーグ戦初勝利を手にした。だが、以降は調子が上がらず右肩痛を発症。「右肩インピンジメント症候群」と診断され、昨秋は2試合、打者4人に投げただけだった。

 けがの功名ではないが、投げられない期間に意識が変わった。「いくら四球を出しても抑えればいいと思っていたけど、勝てる投手は違う。試合には流れがありますから」。制球力向上を目指し投球フォームの調整に着手。初動負荷トレを取り入れ、体幹強化や可動域の拡大にも取り組んだ。大阪・堺市の自宅から1時間あまりをかけて通学するが「家でも電車(の中)でも、ずっとフォームのことばかり考えています」と笑う。


 投手を始めた帝京五2年秋の時点で最速は127キロだったが、大学2年春には147キロを計測。フォームさえ安定すれば重い直球の球速も、まだまだ伸びるはずだ。今年1月に就任したOBの米沢秀典監督が現役時代の84年秋にともにマークしたシーズン個人最多勝利9と最多完投勝利9は今も連盟記録として残る。指揮官も「柱の1本になってもらわないと」と認める坂田の潜在能力。開花するときが待ち遠しい。

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