関西大学野球リーグ

【関西六大学野球のキーマン】投手陣の柱 大商大・大西 狙うは日本一

[ 2019年4月3日 15:04 ]

大商大・大西
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 投手陣の屋台骨を支える男の言葉は明瞭だった。大商大・大西は「リーグで優勝できても全国で優勝できていない。自分が全部抑えたら日本一になれる」と鋭い眼光を向けた。


 最速148キロ直球と宝刀フォークボールで打者をなで切り3年間で19勝。3度の最優秀投手賞を獲得した。黒星はわずかに2つだが、1つは投手としての意識を変えられるほど痛恨のものだった。昨秋の京産大戦。1回戦で完封勝利を収めたが3回戦では自責0ながら3回2/36失点降板。勝ち点を挙げられず、結果的に5季連続Vを逃す敗戦を喫した。


 「初戦以上の球を意識しすぎました。相手に分かられていても、打たれないような球を投げないといけない」


 球速アップと球質の向上を求め、体幹強化や可動域の拡大を狙い根本からトレーニングを見直した。地道な努力は実を結び、尻回りは実に109センチ。さらなる飛躍への土台は固まった。


 趣味は「野球」。中でも投手への思いは半端ではない。大商大高では2年春まで遊撃手だったが「投手をやりたすぎて…」1年時に深夜のグラウンドに忍び込み、マウンドでシャドーピッチングを繰り返したという。「マウンドでは普通の投球練習では出ない力が出るんです。アドレナリンというか」。好きだからこそ、努力を苦労とは思わない。


 昨秋のドラフト会議で楽天から2位指名を受けた太田、中日6位指名の滝野ら先輩がプロの門をくぐった。「そこ(プロ)に行くのもそう(目標)かもしれませんが、まずは日本一をとって、大商大に恩返ししたい」。大きな置き土産のために、実力をさらに磨く。

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