エンゼルス・大谷 球宴ファン投票敵なし!5月2戦3発締め14&15号でリーグ単独2位浮上

[ 2023年6月2日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス12ー5ホワイトソックス ( 2023年5月31日    シカゴ )

 <ホワイトソックス・エンゼルス>4回、2打席連続本塁打となる15号2ランを放ち、かぶとをかぶって笑顔を見せるエンゼルス・大谷
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 衝撃の2発だ!エンゼルスの大谷翔平投手(28)が31日(日本時間1日)、ホワイトソックス戦に「3番・DH」で出場し、今季最長459フィート(約140メートル)弾を含む今季初の1試合2本塁打で勝利に貢献した。打撃フォームを微調整して低調だった打撃が上向き、ここ2戦3発で15本塁打としてア・リーグ単独2位に浮上。オールスター戦(7月11日=同12日、シアトル)の先発野手を決めるファン投票開始日に、強烈なアピールとなった。

 年に一度の真夏の祭典。オールスター戦のファン投票が始まった約2時間後にプレーボールとなった試合で、大谷のバットが火を噴いた。通算13度目、今季初の1試合2本塁打。2安打4打点でチームの大勝に貢献した。

 「良い構えなら、難しい球でも素直にバットが出る。良い球をしっかり打てている」

 不振に別れを告げた。3回1死一塁で右腕リンの内角直球を中堅左に運ぶ14号2ラン。4回1死二塁では再びリンの内角直球を強振し、2打席連発の15号2ランを右翼席上段に運んだ。飛距離は前夜に自身が記録した敵地ギャランティードレート・フィールドの球場記録を更新する今季自己最長459フィート。「構えが良くないまま、その後の動作に移行している感じ」という5月は月間打率.243だが、1週間前から伸ばしていた両膝を曲げ、グリップの位置を15センチほど下げる微調整を始めていた。

 低い重心で響かせた2発の快音は完全復調への号砲。ここ2戦で3発を量産し、15本塁打でリーグ単独2位に浮上した。46本塁打を放ってMVPに輝いた21年も、57試合消化時点で同じ本塁打数。初回に先制ソロを放った主砲トラウトとアベック弾を記録した試合は今季5戦5勝となった。

 この日からオールスターのファン投票が開始。大谷はDH部門での3年連続選出が確実だ。昨年の1次投票で約55万票差をつけられて敗れたアストロズの主砲アルバレスが、今年は外野手部門でノミネート。DH部門で実績、人気ともに大谷を上回るライバルは現時点では不在だ。注目は2次投票を経ずに先発出場が決まる最多得票争いで、リーグ単独トップの18号を記録するヤンキース・ジャッジとの一騎打ちの様相。22年にはMVPを争った好敵手で、4月の対戦では本塁打性の当たりを中堅で好捕された因縁もある。両雄のグラウンド外での争いからも目が離せない。

 大谷は「一番(重要なの)は構え。構えている段階での(投手や投球の)見え方」と強調し「(好調を)継続することも(低調だった5月と)同じようになった時に戻すことも難しい。投球もそうだけど、難しいと思うことはいっぱいある」と言う。難問にぶち当たれば、試行錯誤して乗り越える。時に「野球小僧」と称されるゆえんだ。(笹田 幸嗣通信員)

 ▽大谷の22年球宴選出 DH部門の1次投票は主要打撃成績で上回るアルバレスが221万5456票で1位、大谷が166万4012票で2位。約55万票差をつけられたが、1次の結果を持ち越さずに行われた最終投票で、得票率52%対48%で逆転(得票数は非公表)。ファン投票で2年連続の選出となった。

 ≪コーヒーかけられバットがお目覚め?≫大谷のバットがコーヒーでお目覚め?今季は4月下旬から同僚のウルシェラと互いのバットに「Hit!!!ヒット!!!」などとサインを書き合う験担ぎを行っていたが、最近は試合前にマーカス・テームズ打撃コーチに自身のバットにコーヒーをかけてもらっている。2戦3発の大谷は「昨日も(コーヒーを)かけてもらった。結果になって良かったかな」と笑顔だった。

 【大谷に聞く】

 ――2戦3発。

 「良い球をしっかり打てているので良かった。今日の四球もしっかり見えている」

 ――大事にする構えについて。

 「一つの(好不調)要因ではない。今回はグリップ(の位置)だったり、いろいろとあったけど、感覚はその時によって違う。(グリップの位置を)上げた方がいいなと思う時もあれば、下げた方がいいなと思う時もある」

 ――打席で重心の位置を試行錯誤しているように見える。

 「下半身を使いたいという時に無理やり下げたりするし、逆にバランスが悪いなと思ったら上げたりもする。その時によって必要な感覚は変わってくるので、そこの合わせ方というのは毎年いろいろ調子の波はありますけど、その時によって変わってくる」

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