西部ガス本戦出場残った ルーキー樋口が満塁一掃打 好守後に「気持ちが乗って打席に入れた」

[ 2023年6月2日 06:03 ]

スポニチ後援・第94回都市対抗野球九州地区予選第5日   西部ガス4―2KMGホールディングス ( 2023年6月1日    宮崎市・アイビースタジアムほか )

<西部ガス・KMGホールディングス>3回2死満塁、西部ガス・樋口は走者一掃のタイムリー二塁打を決めて先制
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 雨で中止順延となった敗者復活の第2代表決定トーナメント3回戦2試合が行われた。西部ガス(福岡市)は3回2死満塁、新人の樋口昇樹(21=沖データコンピュータ教育学院)が走者一掃の右翼線二塁打を決め3点を先制。先発・高椋俊平(26)が8回2安打無失点に抑え、KMGホールディングス(福岡市)を4―2で下した。沖縄電力(浦添市)はJR九州(北九州市)を2―1で破った。2日は第1代表決定戦(Honda熊本―宮崎梅田学園)、敗者復活4回戦(西部ガス―沖縄電力)が行われる予定。

 好守は好打を生む。西部ガスが堅い守りから攻撃につなげた。殊勲者はルーキーで右翼を守る樋口。3回2死に右中間の大飛球を背走しながら追いかけ、最後は体をよじって好捕した。「走りながら(中堅手の)正木さんが“ライト、任せた”という声が聞こえた。右中間は自信があるんです」。美技に沸くベンチに拍手で迎えられた樋口がその裏、打撃でも魅せた。

 「気持ちが乗って打席に入れた。投球を引きつけノーステップで打つのが僕の特徴。追い込まれていたのでバットを短く持った」。2死満塁の先制機。2ストライクと追い込まれてファウルで2球粘ったあとの6球目。内角直球を強引に右におっつけた。右翼線への走者一掃の適時二塁打は負ければ終わりの一戦で貴重な先制の3点を生んだ。

 大分・藤蔭高では2年の18年夏に控えの二塁手、3年の19年夏は3番・センターで甲子園に出場した。「大学よりもプロ野球に近くレベルの高い社会人を目指した」と沖データコンピュータ教育学院を経て今春入社。登録は内野手だが「うちは部員枠25人なので貴重なユーティリティー選手」と評価する香田誉士史監督は新人ながら今大会は6番・右翼で先発起用。その期待に見事に応えたルーキーが、準決勝でHonda熊本に敗れたショックを攻守で振り払った。(中島 泉)

 <9回の2点が収穫>KMGホールディングスは8回まで西部ガス・高椋の前にわずか2安打に抑えられての敗戦。「点が取れないのは覚悟していた。だから飯村の投球が窮屈になって四球を出して失点した」。加藤伸一監督は最少失点に抑えなければならない先発投手の重圧を思いやった。救いは相手投手が替わった9回、2点を返した若い野手たちの粘りで「(9月の)日本選手権予選に向けて収穫になった」と指揮官は前を向いた。

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