侍・栗山監督 監督就任後、大谷翔平に「ジャパンの話、一切したことなかった」 決断した大谷の思い

[ 2023年3月27日 14:35 ]

<栗山監督・会見>会見する栗山監督(撮影・尾崎 有希)
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 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、09年の第2回大会以来14年ぶりに世界一に輝いた侍ジャパン・栗山英樹監督(61)が27日、東京都内の日本記者クラブで行われた記者会見に臨み、大谷翔平(エンゼルス)の日本代表招集までの道のりを振り返った。

 2017年、大谷がメジャー挑戦のため、同クラブで会見した時におしのびで会見を見ていたといい「5年間で翔平をアメリカに飛び立たせるという使命も最初からイメージがありましたし、ケガなんかもありましたけど5年で無事アメリカに飛び立っていくという最後の責任というか、そういう思いでどういう表情で行くのかっていうのは見ようと思ってここに来ました」と明かした。

 「あれから、また5年経って毎年メジャーから戻ってくるたびにいろんな話をしています。今回、代表監督をやらせていただくということにあたり、個人的な思いはちょっと別問題として、日本の野球のために、日本のスポーツ界のために何がなんでも翔平に限らずメジャーリーグでやっている選手たちを何人か呼んで、本当にみんなが夢を持てるようなチームを作らなきゃいけないというのは大きな使命だったので、僕の中ではかなり大きなものとして捉えていました」と振り返った。

 「今回、鈴木誠也選手が怪我で参加できなかったんですけれど、ヌートバー選手含め5人のメジャーリーガーが来てくれるということになった。そこに本当にいろんなドラマがあって、簡単に語り尽くせないような、行ったり来たりの中で最終的に決まっていくという作業の中で。特に翔平に関しては、僕以上に今自分が野球からのために何をしなければいけないのかっていうのはすごく理解をしてくれていた。身体の状態に含めて何か問題がなければと」と大谷自身に使命感があると感じていたという。

 そのため「監督を引き受けた2021年、11月に(監督就任を)発表して、12月に一緒に食事もしていますけど、一切、3時間ジャパンの話をしないっていう。一切、ジャパンとか頼むぞっていう話もしないという食事だったんです。けれど、僕としては感じられるものっていうのはもちろんあったし、最終的には昨年シーズン終わりの頃まで体さえ大丈夫だったら出てくれるんじゃないかっていう、それは彼に対する信用信頼。僕以上に野球界のことを考えて自分が何をしなければといけないかって考えてくれる選手だという。本当にそこは信頼あるので」と述べた。

 「そういう意味では本当によく二刀流でこの2年間メジャーリーグであれだけの試合をこなして、本当に体的にしんどいのはわかってたんですけど…よく決断してくれたなと」とした上で、「それに対して何があったかっていうのはちょっとなかなかお話できないことはありますけど、単純に彼の使命感であったりとか責任感であったり、そういったものが突き動かして。今回本当によくやってくれたなというのはあります」と語った。

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