アパホテル社長Jr・静岡高エース元谷聡志が初登板初先発5回9K零封コールド 高校野球静岡地区予選

[ 2023年3月27日 20:36 ]

公式戦初登板初先発を5回完投9K零封で飾った静高の元谷
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 第70回春季高校野球静岡県中部地区予選が27日、焼津球場ほかで開幕し1回戦9試合が行われた。シードの静岡高は、静岡西に10安打12点で5回コールド快勝発進。アパホテル社長兼最高経営責任者(CEO)を父に持つ背番号1の右腕・元谷聡志(3年)が、公式戦初先発初登板で5回完投3安打9三振で零封した。

 尻上がりに調子を上げ、最速134キロの直球が走った。初めて名門・静高の背番号1をつけて挑んだ公式戦のマウンド。最後を9個目の三振で締めた元谷は5回を散発3安打1死球に封じ、ベンチの期待に応えた。

 「平常心で行こうと思ったんですが、最初は緊張しちゃって。直井先生を好投して送り出したかったので良かったです」

 立ち上がりは硬かった。初回、先頭に右前打され、走者をけん制で一、二塁間に挟みながら悪送球。2死二塁から4番に左前打されたが、亀井海夏人左翼手(3年)の本塁好返球で補殺し失点を免れた。「ホッとしました」と以降はストライク先行で三振の山を築き、危なげない投球。三塁ベンチで見守った直井部長も「誠実な人柄で、地道に努力して1番をもらった。ここまでの成長が素晴らしい」と絶賛した。

 東京の学習院中等科から「文武両立ができる学校。どうしても甲子園に行きたかった」と静高の門を叩いた。しかも、父・一志さん(51)はアパホテル社長兼CEO。「そっちは複雑でよく分かりませんが、両親ともに喜んでくれると思います」と笑った。昨秋の第9回Sリーグや練習試合で経験を重ね、今春は昨年春夏甲子園で準優勝と4強の強豪・近江(滋賀)に4回無失点。自信を得た「そのピッチングが公式戦でもできれば」と大事な春初戦の先発で結果を出した。

 「さらに調子を上げて夏に向かって投げたい。夏の甲子園に行くことが直井先生への恩返しになります」

 元谷が斎藤童獅(3年)、中野桜佑(2年)と並ぶ強力右腕トリオの一角を担う。(小澤 秀人)

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2023年3月27日のニュース