阪神・森下 さあ甲子園デビュー弾! 4日OP戦で岡田彰布以来43年ぶりの快挙へ「打てたら最高」

[ 2023年3月4日 05:15 ]

甲子園デビューに向け練習に汗を流す森下(撮影・北條 貴史)
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 阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22=中大)は、4日のオリックスとのオープン戦で途中出場での“甲子園デビュー”が決まった。球団新人がオープン戦での甲子園初戦で本塁打を放てば、1980年の岡田彰布以来43年ぶり。4年ぶりに鳴り物と声出し応援が解禁される聖地に、猛虎期待の新戦力が、いよいよ初見参する。

 4年ぶりにスタンドから降り注ぐ大声援の中、背番号1が悠々とダイヤモンドを一周する――。43年前の岡田彰布を最後に誰もなしえていない「新人の甲子園デビュー弾」が森下によって再現されるかもしれない。

 「打てたら最高。でも、一番は、打点とかチームの勝利につながるところが大切かなと思うので、その結果がホームランになれば一番いいかなと思う」

 狙えるモノは狙わないと損だ。4日のオリックスの先発は右の山岡。左打者が優先的に先発起用される方針で、森下は途中出場の予定が固まった。与えられる打席は中盤以降の2~3打席がメドか。次々と送り込まれる救援陣との対戦が見込まれる。

 今岡誠、鳥谷敬らOBだけでなく、大山や佐藤輝ら現役の先輩も含めて42年間にわたって球団新人が誰一人として打つことができなかった一撃。固く閉ざされた歴史の扉を開くアーチと「虎1号」が重なれば、既に有力視される開幕右翼へ最高の弾みがつく。

 「(打球の)角度が上がれば、長打になる。(甲子園は)スゴく楽しみ。ルーキーとして、元気よくフレッシュにやりたい。あまり気負いすぎず、声を出していきたい」

 無欲で臨む姿が頼もしい。走攻守に順調な調整を進める姿に岡田監督は「問題なくやってんちゃう?この3日間見てたけどなあ」と納得顔。「甲子園初陣弾」についても「そら覚えてるよ、おまえ、左中間に」と懐かしそうに思い出をたどった。80年3月18日の西武戦は「8番・右翼」で先発。3打席凡退後、9回の最終4打席目で3ランを描いた。「俺、最初から出てないやろ」は単なる記憶違い?か、それとも、途中から送り出す森下への期待感ゆえか。

 5日の同戦では同じドラフト1位・曽谷(白鴎大)が救援登板を予定。大学日本代表で同じ釜の飯を食った仲でもある。「いい投手なので対戦できればいい。ルーキー同士、1軍でやっていることはスゴく刺激になる」。これから数え切れないほど戦う本拠地での待望のデビュー。胸を躍らせ、“その時”を待っていた。(八木 勇磨)

 ▽岡田彰布のプロ初甲子園出場 80年3月18日。チームとして甲子園でのオープン戦初戦だった西武戦に「8番・右翼」で先発。3回=空振り三振、5回=捕邪飛、8回=遊ゴロ。0―5の9回2死一、三塁から4打席目で松沼博の初球を左越え3ラン。「最後は思い切りいくことだけを考えていた。ストライクが来たら打とうと思っていた」と開き直りの打撃で零敗を阻止した。

 ▽森下の高校時代の甲子園 東海大相模3年春に選抜出場。4試合すべて「3番・中堅」で先発し、打率.267(15打数4安打)、0本塁打、2打点。日本航空石川との準々決勝は1点優勢の8回に左前適時打。智弁和歌山との準決勝では6回に右犠飛を放って一時10―5の優位に立ちながら延長10回の末に10―12で敗れた。

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