楽天・渡辺佳 足袋スパイクで地面つかんでレギュラーつかむ!5本指ソックスの恩恵マックス

[ 2023年2月10日 05:30 ]

足袋スパイクと五本指ソックスを愛用する楽天・渡辺佳
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 強く鋭い打球は、足の指でしっかり地面をつかんでいる何よりの証拠だ。楽天・渡辺佳がシート打撃で“今季初安打”。フルカウントから3年目右腕・内の内角直球をコンパクトなスイングで右前へ運んだ。2打席目は遊ゴロだったが、投手のグラブをはじいていなければ中前に抜けている良い当たりだった。

 「バットを短く持って低く強い打球を意識している。良い感覚で振れた」。手応えの源が、爪先が2つに分かれた形状の「足袋スパイク」(商品名=ラフィート)だ。知人の紹介で存在を知り、昨年7月にシューズメーカー「岡本製甲」に自ら問い合わせて購入した。通常のスパイクは爪先が細くなっているが、ラフィートは少し平らで親指と人さし指の間に大きな切れ目が入っている。足先の空間に余裕を持たせ、スパイクの中で指が窮屈にならずに地面をつかんでいるような感覚を得られるという。

 5本指ソックスを愛用しており「指が動かしやすいのでソックスの恩恵を最大限生かせる。足を上げた時や踏み出した時に踏ん張りが利く。体がブレないので、下半身で粘って一押しできる」と実感。今年から用具提供を受け、キャンプから使用するのは初めてだが「疲労感がかなり軽減された」と明かす。

 打撃センスと内外野守れる万能性を武器に定位置獲りを狙う。鈴木大や茂木、新加入の阿部、フランコらライバルは多いが「ポジションがかぶる選手に負けるつもりはない」。地面だけじゃなくレギュラーの座もつかむ。(重光 晋太郎)

 ≪「陸王シューズ」も製造/≫岡本製甲は15年前から足袋ウオーキングシューズ「ラフィート」を製造・販売している。これまでスポーツメーカーから委託され野球スパイクの製造を担当しており、蓄積したノウハウを基に世界初の足袋スパイクを開発した。「プロ野球選手に用具提供を始めたのは昨年から。本来の足の形に近づけるために爪先がすぼんでいない。窮屈にならないので立った時に安定感が出ます」と同社の岡本恵さん。17年の大ヒットドラマ「陸王」では美術協力として、撮影に使用されたシューズの製造を担当した実績も。足袋スパイクは球界でも新たなトレンドになりそうだ。

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