ロッテ・朗希 超速仕上げ160キロ!初実戦形式登板でも異次元 15日“村神様”斬って侍へ

[ 2023年2月10日 05:30 ]

ライブBP登板する佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンのロッテ・佐々木朗希投手(21)が9日、実戦形式で打者と対戦するライブBPに初登板した。打者6人に30球を投げ、安打性は2。早くも最速160キロをマークする上々の内容で試運転を終えた。次回は15日にヤクルトとの練習試合に登板予定で、村神様斬りで強化合宿へ弾みをつける。

 ラスト30球目。内角低めに快速球が決まる。ストライク判定に打者の藤原が肩を落とし、マウンドを降りる佐々木朗にスタンドから大きな拍手が送られた。今キャンプで初めて打者と対戦するライブBP。「雰囲気や景色を思い出し、ブルペンとの違いを確認すること」をテーマに、スタートは藤原へ直球を5球連続で投げ込んだ。場内スピードガンはなかったが、球団の計測では4球目と10球目に、この時期では異次元の最速160キロをマークしたという。

 WBCで使用される大リーグ公式球で15球を2セット投げ、安打性2本、空振り4球、ボールが7球。右腕は「(昨年11月の)強化試合よりもフォークが少し良くなった。あとは最後の方はコントロールも良くなったと思います」と納得顔だ。

 キャッチボールはもちろん、ノックや連係プレーの練習でもWBC球を使用。ここまで3度のブルペンでは、新たな武器として昨季は全投球の5・3%止まりだったスライダーを多投してきた。前日にはWBC2大会連続MVPの松坂大輔氏(スポニチ本紙評論家)から直接、アドバイスをもらう機会もあった。

 この日は右打者にスライダー、左打者はフォークと使い分けた。スライダーには「もう少し安定して曲がってくれれば」と不満げでも、受けた松川は「本当に強いボールが来ていたし、スライダーも使えるなと感じた」。初めてWBC球を握った昨年11月の強化試合では序盤に球が抜ける場面も目立ったが、「去年の強化試合より良くなっている」と侍ジャパン投手コーチも兼ねる吉井監督もうなずいた。15日のヤクルトとの練習試合へ「予定通りいけると思う。複数イニング投げてもらいたい」と登板を明言。「(データ解析の)トラックマンのデータを見ると、もっと良くなるはず」と加えた。

 今季の初対外試合は、昨季3冠王・村上と対戦する可能性が高まった。21年6月10日の初対戦ではプロ初被弾を浴び、昨年の球宴では161キロを中前打された。「時間はあまりないですけど、ストレートの精度とか、まとまりを出せたら」。村神様斬りで、17日からの侍強化合宿へ。悲願の世界一へ、これ以上ない最終調整の場となる。(大内 辰祐)

 ≪五十嵐氏 WBC球への対応「もう少し」≫元ヤクルトでメッツでもプレーした野球解説者の五十嵐亮太氏が佐々木朗のライブBPを視察した。「一球一球、自分の感触と捕手の感覚を照らし合わせながら丁寧に調整している」と印象を語り、WBC球への対応については「もう少し。日本のボールを投げた時との違いを極力なくそうとしているように見えた」と分析した。速球王として日米で活躍した右腕は「彼の持ち味である真っすぐとフォークの2つで海外選手をバシバシ抑える姿を見たい。驚かせてほしいね」とエールを送った。

 ≪藤原 安打のち空振り「お手上げ」≫1セット目に3球目を中前にはじき返した藤原だが、2セット目は直球に2度空振りし、最後は内角直球にバットが出なかった。「めちゃくちゃ良いところに決められた。お手上げです」。2セット目の3球目に右前打の安田は「あれは抜けたフォーク。甘いボールを打てて良かった」と笑顔を見せたが、1セット目には同じフォークで体勢を崩されて空振り。「やっぱり凄いピッチャーですよ」と称賛していた。

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