【プロ野球キャンプの記者仕事　10日目】ランチの席に2人のレジェンドが…

現役時の右から王、金田、長嶋
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　【プロ野球キャンプの記者仕事　10日目】キャンプ地には野球解説の仕事で伝説的なOBも訪れる。長嶋茂雄氏が監督を務めていた巨人キャンプ。取材陣の数も多いため、球団がマスコミ用の臨時食堂を設置してくれていた。

　普段はささっと食べて取材を続けるのだが、その日は長い時間足止めされることになった。うどんを食べていると隣のテーブルに400勝左腕・金田正一氏が座った。

　「おお、金田さんだ」と感動していると、何とマスコミ用の食堂を訪れるはずのない長嶋監督が1人でやってきた。大先輩の金田氏に対してあいさつに来たのだ。

　すると金田氏が「まあ、座れよ」と促し、隣で球界のレジェンド2人が世間話を始めた。こんな幸運はめったにない。うどんをすすりながら耳をそばだてた。お互いの近況、チームの現状から昔話、共通の知人の話題まで。普通は長嶋監督がそこにいれば常に主役で、話の中心になる。ところが、さすがは金田氏だ。7対3の比率でしゃべり続けていた。

　「ああ、長嶋さんでも聞き役になる相手がいるんだ」と知った。うどんはのびたが、ぜいたくなランチタイムだった。（K）