握った手に感じた衝撃と努力の跡 “大器の予感”オリックス池田陵真の成長曲線に注目

[ 2022年5月5日 09:00 ]

大器の予感が漂うオリックスのドラフト5位ルーキー・池田
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 大器の予感が漂う。オリックスのドラフト5位・池田陵真外野手(18=大阪桐蔭)だ。

 「初めての試合は緊張もあると思うので、そういった意味で、どんどん振って緊張を和らげるとか、そういった意味でも、しっかり振れていけたので、よかったと思います」

 5月1日のロッテ戦(京セラドーム)でプロ初昇格し、「9番・右翼」で先発出場。積極的にスイングを仕掛ける持ち味を発揮した。1―1の8回先頭の第3打席。相手は西武の剛腕・平良。「相手の投手が速いのは分かっていたので、短く持って力負けしないように。終盤で、何とかして塁に出たかったので、安打で出られてうれしかったです」。1ボールからの2球目、外角低めの156キロ直球に力負けせず右前へ、はじき返し、パワーと技術の高さを示した。

 大阪桐蔭3年時は主将を務め、高校通算25発。身長1メートル72。上背はないが、絶対に「小柄」ではない。筋骨隆々。趣味は筋トレ。背筋強化の「デッドリフト」の重量は230キロでエンゼルス・大谷(225キロ)も超える。

 春季キャンプ中のこと。幼さが残る顔立ちで快活に語る好青年を取材している時に、自然と視線が手元に向いた。とにかく、デカくてゴツい手に驚いた。数え切れないほど振り込んで何度もマメが潰れ、固くなった分厚い手のひら。阪神・糸井や吉田正と握手させてもらった時にも「半端なくデカいな」と感じたものだが、池田の拳にも同様の衝撃を覚えたのと同時に、その努力の跡が伺えた。

 同学年のライバルが刺激だ。ロッテのドラフト1位・松川虎生(市立和歌山)。プロ入り前から認め合う存在で、「令和の怪物」佐々木朗の正妻。負けられない思いは、強い。

 「同級生で、開幕からずっと1軍でプレーしていて、凄いなという思いと、負けたくないという思いと。一緒に頑張っていきたいという思いはあります」

 昨季高卒2年目だった宮城や紅林らを登用し、同1年目だった来田も7月に1軍デビューさせた“中嶋マジック”が、池田にも作用するはず。「自分の結果もそうですが、チームに貢献できるように精いっぱいやっていきたい」。この18歳が描く成長曲線に注目だ。(記者コラム・湯澤 涼)

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2022年5月5日のニュース