ヤクルト・石川 現役最多179勝目 5回零封で5連勝&最多貯金5導く

[ 2022年5月5日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト3―0阪神 ( 2022年5月4日    甲子園 )

<神・ヤ>今季2勝目を挙げた石川(撮影・成瀬 徹)
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 セ・リーグ現役最年長左腕のヤクルト・石川雅規投手(42)が4日、阪神戦で5回4安打無失点で今季2勝目を挙げた。現役最多の通算179勝目で、西武・内海哲也投手(40)と並ぶ現役最多の阪神戦27勝目。チームの11年ぶりの3戦連続完封勝利、今季初の5連勝、最多タイの貯金5に貢献した。5日のこどもの日を前に、各球団のベテランが躍動した。

 秋田で過ごした幼少時代。「実家の隣に建てられる大きな鯉のぼりを見るのが楽しみだった」。そう言った石川は、ヒーローインタビューを終え甲子園の左翼席を振り返った。小さく固まったヤクルトファンを見上げ「スワローズファンが応援してくださるので」と感謝した。

 野球少年少女のお手本となるような投球だった。高津監督が「僕は親子キャッチボールと呼んでいる」という19歳の内山壮との23歳差バッテリー。高3の長男・大耀(だいや)さんと2歳しか変わらない女房役と2戦連続でコンビを組んだ。「甲子園球場の風を見ながら2人でピッチングできた」と右翼から左翼方向に吹く浜風を味方に配球を練った。右打者には外角、左打者には内角を中心に攻め、許した4安打のうち右方向が3本で、左方向は1本。頭脳的な投球で5回を4安打無失点に抑えた。直球は130キロ台でも、セ・リーグ最年長の42歳は投球術を駆使。現役最多の179勝目となった。

 5日はこどもの日。幼少期はプロ野球選手に憧れ、ゴールデンウイークも野球に明け暮れた。プロ21年目。今度は自身が憧れられる存在になった。「僕が小さい頃にプロの先輩をまねたように、僕を見てそう感じてくれると勇気をもらえる。まだまだ頑張らないと」。投げる姿自体が、子供たちに勇気を与え続けている。

 前日の小川の完封に続く快投で、チームは3戦連続完封勝利。高津監督は石川に「今日も完封しろって言ったんだけれど、あと4回足りなかった。決していい状態には見えなかったけれど、さすが」と注文も加えて称えた。2児の父でもある42歳も若者から刺激を受け「勇気をもらえる。まだまだ頑張らないと」と小さな体で投げ続ける。(青森 正宣)

 《甲子園で4年ぶり白星》石川(ヤ)が5回無失点で今季2勝目、甲子園では18年4月14日以来4年ぶりの白星となった。石川の通算179勝は現役最多。なお、日米通算では田中(楽)の184勝(日=106勝、米=78勝)が現役最多となっている。

 《3試合連続完封勝利》ヤクルトは4月30日のDeNA戦から3試合連続完封勝利。昨年9月に0―0の引き分けを挟んだ4試合連続無失点を記録したが、3試合連続完封勝利は11年4月以来11年ぶり6度目の球団最多タイ記録となった。なお、プロ野球記録は10年中日、11年日本ハムの5試合連続。

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