巨人・岡本和 値千金同点11号3ランで28打点、王&野村に続く3年連続2冠王へ独走態勢

[ 2022年5月5日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人6―3広島 ( 2022年5月4日    マツダ )

<広・巨>6回、同点3ランを放つ岡本和(撮影・河野 光希)
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 巨人・岡本和真内野手(25)が4日、広島戦の6回に4試合ぶりとなる11号3ランを放った。主砲の同点弾で勢いづいたチームは6―3の逆転勝ちで連敗は4でストップ。11本塁打、28打点でリーグトップに立つ4番打者は、5月に入り初本塁打。王貞治、野村克也に続く史上3人目の3年連続2冠王に向け、自身とともにチームの再加速への号砲を放った。

 打者有利のようで、最も難しいカウントだ。カウント3―0。場面は3点を追う劣勢でもあった。6回無死一、二塁。岡本和はど真ん中の129キロツーシームを左中間席へ運んだ。逆転勝利へ導く同点3ラン。不動の4番の一振りが、試合の流れを変えた。

 「難しいところなので本当にゾーンを小さくして、甘い球が来たら打とうと。最高の結果になって良かった」

 100点の結果が求められる状況。岡本和も「そこで振るというのはね、しっかり仕留めないといけないところ」と振り返った。難しさを自覚しながらも一方で「もし打ってもファウルになればいいかなと」と精神を整えた。25歳で伝統球団の4番を担う、精神的強さが表れた一撃。3ボールからは今季2打数2安打で、全て本塁打の2発だ。

 繊細さと大胆さ。16年オフに参加したプエルトリコのウインターリーグで学んだ。そこで同僚だった松坂大輔氏(スポニチ本紙評論家)と今春のキャンプで対談し「向こうの人は細かいことを気にしない。行ってから、変なことを気にしなくなった」と思い出話に花を咲かせた。同時に「気持ちの浮き沈みがめちゃくちゃ激しくて。ダメな時にも最低限のことができるはずなんですけど、それも切れてしまう。なくさないといけない」と悩みを吐露。松坂氏が「まだ若いのにそんなポジションに立っている」と感心するほど。この日の一発は精神面で理想の一撃だった。

 4連敗中だった嫌な流れを吹き飛ばした。3回から3イニング連続で二塁走者が安打で生還を狙ったが本塁憤死。「ここ最近流れが良くなかった中で、ああいうことも起きる」と岡本和は動じなかった。終盤の好機で、得点を阻んできた相手外野手を一歩も動かさない完璧な一打。負ければ5日にも首位陥落の可能性があったが、その危機も回避した。

 本塁打、打点でリーグ単独トップを快走中。プロ野球歴代本塁打1、2位の王貞治、野村克也以来の3年連続2冠への挑戦は続く。それでも「ここ最近は全然仕留められてないので、しっかり今日をきっかけに上げていきたい」と岡本和。求めるものはさらに上にある。(小野寺 大)

 ▼巨人・原監督(3ボールからの岡本和の一発に)まあ当然、サインは打てという形でね。それをしっかりと励行してくれたということですね。(連敗ストップは)苦戦するのは上等ですよ。その中で我々がいかに戦っていくか。

 《3-0からは今季2本目》岡本和(巨)がカウント3―0から11号3ラン。今季このカウントでは4月8日ヤクルト戦に次ぎ2本目。2リーグ制後、巨人打者でシーズン2本の3―0本塁打は昨年の大城以来7人目の最多タイ。右打者では91年原辰徳、13年坂本に次ぎ9年ぶり3人目。

 《野村は6年連続、王は4年連続を2度》岡本和は20年から本塁打、打点の2年連続2冠王。過去に3年以上本塁打王と打点王を続けたのは62~67年野村克也(南海=6年)、64~67、71~74年王貞治(巨=各4年)の2人のみ。岡本和が今季手にすれば史上3人目(4度目)。野村の65年、王の73、74年は打率含めた3冠王。

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2022年5月5日のニュース