ロッテ・朗希 自己最速164キロ!初回先頭から圧巻5者連続K、肉体進化で初の中6日先発ローテ期待

[ 2022年3月28日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ5―6楽天 ( 2022年3月27日    楽天生命 )

<楽・ロ>今季初登板で力投したロッテ先発の佐々木朗(撮影・白鳥 佳樹)
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 ロッテの佐々木朗希投手(20)が27日、楽天戦に先発し、6回 4安打3失点ながら、初回に自己最速となる164キロをマークした。16年のクライマックスシリーズで日本ハム・大谷翔平(現エンゼルス)が記録した165キロの日本人最速にあと1キロと迫った。二転三転した試合は延長11回の末にサヨナラ負け。チームは開幕2連勝を逃したが、今季初登板の「3年目の怪物」が残した衝撃は、試合後も消えなかった。

 佐々木朗は異次元の出力を初回から解放した。初回、先頭・西川、山崎を連続三振に仕留め、3番・浅村への初球の内角直球だった。自己最速を1キロ更新する164キロが決まった。大谷の日本人最速へあと1キロ、日本球界最速となる巨人・ビエイラの166キロまであと2キロと迫る衝撃。それもまだ肌寒い屋外の仙台で、今季初登板で叩き出した。

 もっとも、どよめく敵地で、佐々木朗一人だけは別だった。「よく分からなかった。あんまり(スピードガンを)見ていなかったので…」。元来、球速に対する意識が強いわけではない。「いつも通り、自分から崩れないように、強い球を序盤に投げられるように、ゾーンに強く投げる意識でした」と抑揚なく、腕を振り続けた。

 浅村には直球で追い込み、スライダーで空振り三振。2回も島内、和田を三振斬りし、初回先頭から5者連続三振と圧倒した。2回までに160キロ超えは10球。3、6回にはともに先頭打者への四球から失点し、6イニングを4安打3失点で勝敗は付かなかった。それでも2桁10三振を奪い、内容で強いインパクトを残した。

 3年目の今季は初めて中6日で先発ローテーションを回ることが期待される。プロ2年間の育成期間で、異次元の出力に耐えられる強い体ができあがったからこそだ。1年目は1軍登板はなく、昨季は中10日以上空けることがベースで11試合の登板にとどまっていた。体が強くなった分、これまで以上の出力で腕を振り続けられるようになった。球速については「試合で出るのは持っている力の8、9割ぐらい。トレーニングでその母数を大きくしたい」という考えがある。大船渡3年春の全日本候補合宿で1度163キロを計測してはいたが、昨季の公式戦最速は159キロで、平均球速は153キロだった。今季はオープン戦から163キロを連発してきた。

 「いい時は良かったが、悪い時にはストライクゾーンにもいかなかった。次は全体的にまとめられるようにしたい」。淡々と前を見る視線が、ポテンシャルをより大きく見せる。怪物の剛球は、シーズンが進み上昇していく気温とともに、もっと速くなることは間違いない。(横市 勇)

 ≪昨季初陣154キロ→CSで159キロ≫佐々木朗は2年目の昨季、5月のデビュー時に154キロだった最速をレギュラーシーズン終盤に158キロ、CSで159キロまで伸ばした。今季は初登板で自己最速の164キロ。日本で165キロを計測したエンゼルス・大谷のメジャーでの最速101.9マイル(約164キロ)と肩を並べた。昨季全登板の平均球速では、佐々木朗は152.6キロで大谷の95.6マイル(約154キロ)を下回ったが、この日の平均球速では157.7キロと驚異的な数字を叩き出した。

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2022年3月28日のニュース