中日・立浪監督 闘将星野氏と同じ、開幕3戦目G倒で初勝利 記念球大切に「今日がスタート」

[ 2022年3月28日 05:30 ]

セ・リーグ   中日7ー5巨人 ( 2022年3月27日    東京D )

<巨・中3>初勝利を挙げウイニングボールを手にする立浪監督(撮影・久冨木 修)        
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 中日・立浪監督は「本当によう勝ったな」と息をついた。柳が初回4失点。劣勢を総力戦ではね返した。「やられたら絶対にやり返せ」。就任以来、選手に植え付けてきた勝負根性が初勝利を呼んだ。8回に2点を返し、9回1死満塁では大島が右前へ同点打。延長10回2死満塁では途中出場の溝脇が左前へ執念の決勝打を落とし、「必死に毎日練習してきた結果かな」と声を震わせた。

 09年の現役引退からの13年間は、この瞬間のためにあった。昨年10月に監督就任要請を受け、思い描いていたコーチ候補に連絡して「頼むぞ」と伝えた。課題の打撃強化のためプロでの指導歴がない中村紀コーチと3年ぶり復帰の森野コーチを招へい。2人は現役時代に三塁を争ったライバルだった。

 中村紀コーチはテスト入団した07年にかけられた言葉が忘れられない。「自分にポジションが奪われるかもしれないのに思い切ってやれ、強くなるためにはノリの力が必要だと言っていただいた。自分ならあんな言葉はかけられない」。勝利が最優先の信念は指揮官となり、より明白になった。

 R・マルティネスから手渡されたウイニングボールを何度も見つめた。現役時代は人にあげることが多かった記念球。今回は自宅に大切に飾るつもりだ。「今日がスタート。これからも一試合一試合、全力で戦っていく」。就任1年目での敵地・巨人戦での開幕2連敗からの初勝利は恩師・星野仙一監督と同じ。闘将の系譜は確かに受け継がれた。(中澤 智晴)

《立浪監督とまさに運命共同体》

 【記者フリートーク】勝手に運命だと思っている。ドラ番になり立浪監督と出会ったことだ。16年ぶりにプロ野球担当に復帰したのが昨年10月。前監督に名刺を切った3日後に今季限りでの退任と立浪監督の就任要請が発表され、一つ年上の指揮官が誕生した。

 実際に接して感じたのは目配り、気配りの凄さ。視野が広く、気になった選手にはすぐに声をかける。昨秋キャンプでは、緊急事態宣言下での外出で謹慎となり新体制の始動に出遅れた山下が神妙な顔で練習に合流すると、真っ先に声をかけて和ませた。その後も頻繁に名前を出し、奮起した山下は開幕1軍をつかみとった。

 何よりも運命を感じるのは監督と私の誕生日が同じ8月19日で血液型も同じA型ということ。占いなどはいつも同じ。くしくも27日付本紙掲載の運勢には「総力戦で戦おう」とあった。まさに運命共同体だ。1年間、気持ちを一つに立浪竜の奮闘をしっかり伝えていきたい。(中日担当・中澤 智晴)

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2022年3月28日のニュース