広島・龍馬 吉兆18年V3以来の開幕3連勝呼ぶ走者一掃逆転満塁三塁打 「何とか結果を」会心の笑顔

[ 2022年3月28日 05:30 ]

セ・リーグ   広島7ー6DeNA ( 2022年3月27日    横浜 )

<D・広3>9回、3点適時三塁打を放つ広島・西川(撮影・島崎忠彦)
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 広島・西川龍馬外野手(27)が27日のDeNA戦で鮮やかな逆転星を呼んだ。1点を追う9回2死満塁の好機に抑えの山崎から走者一掃の中越え3点三塁打だ。8回に救援登板した中崎に645日ぶりの白星が付き、守護神・栗林は苦しみながらも今季初セーブを記録。リーグ3連覇を果たした18年以来の開幕3連勝を飾った。

 快音を発したライナーは敵地ファンの悲鳴を切り裂いて、前進守備を敷くセンター・桑原の頭上を越えた。三塁ベースにスライディングすると、殊勲の西川は自軍ベンチに向かってガッツポーズ。会心の笑みがはじけた。

 「周りの選手が回してくれたので、何とか結果を…と思って強い気持ちで(打席に)入った。外野が前に来ていたので、打った瞬間に越えると思った」

 1点を追う9回2死満塁で打席に立った。マウンドには山崎。その初球、151キロ直球を見逃した時に「球が強い。本来の康晃さんに戻っている」と感じ、狙い球をツーシームに絞った。カウント1―1からの3球目。右足を小さく上げて、低めの145キロを鮮やかに捉えてみせた。

 「今は球の見え方がいい。タイミングを早く取るようにして、いい感覚が芽生えた」

 タイミングの取り方を変えた。昨季までは重心を前後に移動させていたが、今春は右足を上げて間合いをはかる。直球だと上げ幅を小さく、変化球なら右足を上げて粘るイメージ。上昇気流に転じる分岐点はあった。

 8日の阪神とのオープン戦。3回2死二塁で西勇の内角低め直球に空振り三振した時、「アッ、これか!」と直感したという。普段は三振を嫌がるのに、三振して表情が緩んだ甲子園。良い感覚が芽生えた瞬間だった。

 「いつもやったら内角は窮屈になるけど、あの時はバットがスッと出て、いい感じに振れた。そこからです」

 打線がつながり、3連覇を果たした18年以来の開幕3連勝。西川の3点打でつかんだ逆転勝ちに、佐々岡監督は「つなぐ意識や諦めない姿勢が、2死からの得点に表れている。本当にいい攻撃。素晴らしい」とナインの奮闘を称えた。

 春季キャンプは新型コロナウイルス陽性で出遅れながら、切り込み隊長として打線をけん引する27歳。昨季まで中軸を組んだ同学年の鈴木がメジャーへ移籍し「僕ももう中堅。結果で示さないといけない」と自覚をにじませる。

 「今日勝てたのはデカい。いいスタートが切れた。このままの勢いで戦っていきたい」

 29日からは阪神と本拠地開幕3連戦。西川は好感触を手のひらに刻み、地元で再び大暴れを誓っている。(江尾 卓也)

 ▼広島・遠藤(今季初先発で4回2失点、4奪三振) 成長できていると思う。粘って投げられたし、点は取られると思って開き直った。去年悔しい思いをした。その思いを晴らすために、一年間全力で必死で戦い抜きたい。

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