阪神・桐敷 初登板初先発黒星デビューも初回ピンチ村上併殺斬り「自分らしいピッチングはできたのかなと」

[ 2022年3月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0ー4ヤクルト ( 2022年3月27日    京セラD )

<神・ヤ(3)>デビュー戦で6回途中まで堂々の投球をみせた桐敷(撮影・大森 寛明)
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 黒星は付いても堂々のデビュー戦だった。阪神ドラフト3位・桐敷が開幕第3戦の先発を任され、6回途中3失点で降板したものの、確かな手応えを残した。

 「初回も含め、ピンチはあったんですが、併殺も取ることができて、自分らしいピッチングはできたのかなと思います」

 緊張の表情で上がった初回のマウンド。1死から青木、山田の連打で一、三塁を背負い、村上を打席に迎えた。同世代の昨季本塁打王にも気負うことなく強気に攻めた。2球で追い込み、ボールを挟んだ4球目。勝負球は142キロの内角ツーシームだった。力勝負で二ゴロ併殺打に押し込み、グラブをポンと叩いて小さく喜んだ。

 2回にサンタナに初球直球を左翼席に先制被弾しても慌てない。3回は山田を直球3球で見逃し三振。内角で追い込み、外角いっぱいに決めた。5回以外は毎回走者を背負っても、直球とスライダーを軸にツーシームやフォークを駆使。1四球だけで、打者の左右を問わず内角に投げきる制球力を示した。

 3巡目に入った6回は山田、村上に連続適時打を浴び、94球で降板。注がれた大きな拍手が“合格”の証だ。もちろん、矢野監督も評価した。

 「(捕手として)初登板のピッチャーをいっぱい受けてきたけど、ストライクが入らんとか、自分のボールが投げられないとか経験している。落ち着いて投げている。凄くいい中身になったんじゃないかな」

 今後の起用法については「ちょっと、それはまだ分からない」と言葉を濁した。力を認めるからこそだ。腰の張りで調整が遅れていたガンケルが同じ日に2軍戦で先発復帰。桐敷が手薄なブルペンへ回る可能性もある。膨らむ“ジョーカー”としての期待。どんな役割でも1軍戦力になることを改めて示した。(石崎 祥平)

 ◇桐敷 拓馬(きりしき・たくま)1999年(平11)6月20日生まれ、埼玉県出身の22歳。本庄東では1年秋からエースも甲子園出場なし。新潟医療福祉大では1年秋からリーグ戦に出場し通算11勝。4年秋の平成国際大戦でリーグ初の完全試合を達成。21年ドラフト3位で阪神入団。1メートル78、90キロ。左投げ左打ち。

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