鈴木啓示氏 開幕戦に敗れ阪神はチーム全体が精神スランプ 広島との3連戦、相手が変われば気分も変わる

[ 2022年3月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神0ー4ヤクルト ( 2022年3月27日    京セラD )

鈴木啓示氏
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 【鈴木啓示 視点】桐敷は新人らしからぬ物おじしないマウンドさばきが良かった。開幕3戦目であるとはいえ、プロ初登板の彼にとっては実質、開幕戦に登板するようなもの。ただでさえ重圧がかかる中、思い切ってインコースをつけていたし、コントロールもまとまっていた。

 首脳陣からすれば「また使いたい」と思わせる内容だったし、実際、今後も登板のチャンスをもらえるだろう。これといった、欠点も見当たらない。経験を積み、自分を厳しく律していくことができれば、十分に先発ローテーションに入っていける素材だと感じた。

 対照的に、チーム全体は初戦の7点差逆転負けを引きずっているように見えた。14回の開幕投手を任せてもらった私にも同じような経験がある。歴代最多の開幕戦9勝を挙げた一方で、喫した2敗はとても印象深い。開幕戦に敗れてしまっただけで「今年は一度も勝てないかもしれない」という思いがよぎったものだ。逆に開幕戦に勝つと「3勝分の価値がある」と思えるほどで、それほど開幕戦の持つ意味は大きい。

 つまり、2、3戦目の連敗は明らかに開幕戦の負けが招いたものだろう。スランプは技術と精神からくる2種類あるが、いまはチーム全体が精神のスランプに陥ってしまっている。好機に凡退した佐藤輝も、その一人だろう。

 予期せぬ3連敗には違いないが、オープン戦を見ていても投手、野手とも布陣は整い、力はある。移動日を挟んで、29日からは広島との3連戦。対戦相手が変われば、気分も変わる。気持ちを切り替えることができれば、大丈夫だ。(スポニチ本紙評論家)

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