楽天、今季12球団初のサヨナラ勝ち!3年ぶり復活の延長11回、松井裕“またぎ”から田中和がV撃

[ 2022年3月28日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天6―5ロッテ ( 2022年3月27日    楽天生命 )

<楽・ロ>延長11回、サヨナラ打を放った田中和(中央)がナインの歓迎を受ける(撮影・篠原 岳夫)
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 3年ぶりに復活したスコアボードの延長11回に、楽天のサヨナラ勝ちを示す「1X」が刻まれた。5―5の2死二塁。4打席無安打で今季初の先発起用に応えられていなかった田中和は「ここしかない」と腹をくくった。

 2ボールから低めの145キロの直球を振り抜き、打球は前進守備の相手中堅手を越えた。「仲間がベンチから飛び出してきてくれて、本当に幸せだった」。劇的なチームの今季初勝利の立役者になり、ナインの歓喜の輪の中心で目を潤ませた。

 二転三転の展開だったが、土壇場の9回に追いついた。両リーグを通じて今季初の延長戦に突入。コロナ下での時短要請で9回打ち切りだった昨季とは違う戦い方で勝利をつかみにいった。

 10回から守護神・松井裕を投入。1イニング目は走者を背負いながら無失点に抑えた。開幕戦で登板機会がなく、28日は試合がないことなど条件がそろっていたことから、昨季は一度もなかった2年ぶりの「イニングまたぎ」で11回も続投した。「初登板でフワフワしていたけど、2イニング目でようやく温まった」と振り返るように、3者連続三振の快投が裏の攻撃にリズムを生んだ。田中和は野手陣の「早く試合を決めて、マツに勝ちをつけたかった」という思いを打席で体現した。

 昨季のサヨナラ勝ちはリーグ最少の1だった。「サヨナラの終わり方って楽しい。喜びを分かち合う感じがたまらない。何度でもやりたい」と松井裕。田中和はお立ち台から、1万9903人の観衆へ「一つ勝てたので、チーム一丸で勝利を積み重ねていく」と声を張り上げた。(重光 晋太郎)

 ▽コロナ下での延長戦 20年は延長戦は10回のみ実施。21年は延長戦は行わず9回打ち切りで、日本シリーズだけ12回で実施された。20年は選手たちの負担軽減が目的。21年は感染拡大防止へ飲食店などに午後9時までの時短要請が出され、通常午後6時のナイター開始時間も15~30分繰り上げられた。今年は3年ぶりに延長戦を従来の12回まで行う。

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2022年3月28日のニュース