ソフトバンク・藤井 戦力外から育成経験した男が逆転呼ぶ好投 3連勝に藤本監督「もっともっともっと」

[ 2022年3月28日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク6ー4日本ハム ( 2022年3月27日    ペイペイD )

<ソ・日(3)>5回途中から3番手で登板した藤井(撮影・西川 祐介)
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 NPB第二章だ。ソフトバンクの藤井皓哉投手(25)が27日、日本ハム戦で4年ぶりとなる2勝目を挙げた。1点ビハインドの5回1死満塁で登板し無失点で切り抜けると、6回も完璧に抑えて逆転劇を呼んだ。2020年に広島を戦力外となり、独立リーグから育成契約を経て支配下登録を勝ち取った苦労人の復活星。チームは2年連続の開幕3連勝で単独首位に立った。

 相手は同じ日本ハムだった。藤井が広島時代の18年6月6日以来、1390日ぶりのプロ2勝目。試合後にペイペイドームの屋根が開き、光がグラウンドに差し込んでいた。右腕は会見場で涙を必死でこらえた。弱みを見せない、真面目で負けず嫌いの性格を貫いていた。

 「本当に12月から自分の想像をはるかに超えるスピードでここまできていて。自分の気持ちが追い付いてない。腹くくって投げてNPBの舞台に戻れた。長かったと思います」

 椎野の押し出しの四球で勝ち越され、3―4となった5回1死満塁の大ピンチをチャンスに替えた。3番手でマウンドへ。前日のNPB復帰初登板では清宮に一発を浴びるなど2安打1四球1失点で1イニングを投げきれず降板し、森の救援を仰いでいた。

 「もう一度チャンスをいただいた。昨日、助けられたので助けたい。やってやろうと思いました」

 ヌニエスを151キロ直球で見逃し三振。佐藤を150キロ直球で三ゴロ。直後の攻撃で打線が2点を奪い逆転した。6回には自己最速タイの152キロを2球連続でマークするなど打者計5人から3三振を奪った。自身2個目のウイニングボールは岡山の実家に送ると決めた。20年オフに広島を戦力外になり昨年12月14日に独立リーグの高知から育成契約で入団。開幕前に1軍の対外試合6試合で8回6安打4失点、毎試合の15奪三振。3月22日に支配下登録を勝ち取った。

 流れを変えた藤井の力投から2年連続の開幕3連勝は生まれた。藤本監督は「これから自信を持って投げて。広島時代はメンタル(が課題)と聞いているが落ち着いている。(次の)ロッテ戦からいいところで投げられるんじゃないか」と、ご機嫌で称えた。さらに今季スローガンになぞらえ、白星街道も「もっともっともっと、ですかね」と「もっと」の回数だけ伸ばした開幕6連勝を狙っていく。(井上 満夫)

 ◇藤井 皓哉(ふじい・こうや)1996年(平8)7月29日生まれ、岡山県笠岡市出身の25歳。おかやま山陽では遊撃手から投手に転向し2年秋からエース。3年夏は2回戦で敗退し甲子園出場はなし。球速150キロを評価され、広島から14年ドラフト4位で指名。広島時代の通算成績は14試合1勝0敗、防御率7・94。20年オフに戦力外となり21年は独立リーグの高知に所属し先発で活躍。同年12月にソフトバンクと育成契約。今年3月22日に支配下登録。1メートル83、89キロ。右投げ左打ち。

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