夢は甲子園でバッテリー! 通学時間を「練習に充てよう」と同居を始めた市和歌山の奥地&松村の春

[ 2022年3月28日 05:30 ]

第94回選抜高校野球大会   市和歌山2ー1明秀学園日立 ( 2022年3月27日    甲子園 )

<市和歌山・明秀日立>9回サヨナラの場面で、半田監督(右)から伝令として起用される市和歌山・奥地(撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 【いっちーの球春胸キュン日記】市和歌山の奥地悠斗君(3年)はルームメートの活躍を同じベンチで見守りました。

 奥地君と主将の松村祥吾君は学校から自転車で2、3分の距離にあるアパートに2人で暮らしています。同じ紀州由良リトルシニア出身。地元からの通学は1時間以上かかるため「その時間を練習に充てよう」と2DKでの同居を決めました。

 自炊に洗濯…最初は日付が変わるころまで時間がかかりましたが、今では「得意料理はしょうが焼き」と言えるほど家事も慣れてきました。毎日、台所に並んで立つ仲で、ささいな変化も見逃しません。「悩んでるんやろうなぁ」。松村君が主将になった昨夏、言葉にせずとも重責と闘っているのが伝わりました。「自分にできることはこれぐらい」と、2人分の食器をそっと洗ったといいます。

 昨秋に捕手に転向した松村君とはバッテリーでもあります。「どしっと構えた方が投げやすい」と投手の目線でアドバイス。食卓では配球の会話が増えるなど絆はより深まりました。背番号17をもらった際には「よかったな!」と一緒に喜んでくれました。

 明秀学園日立戦ではサヨナラの場面を迎えた9回に伝令として起用されるなど半田真一監督からの信頼も厚い。「甲子園で(バッテリーを)組めたら最高やな!」。2人の夢は準々決勝へと続きます。

続きを表示

この記事のフォト

2022年3月28日のニュース